自分で選択した人生。弱音は吐きにくいけれど

── 実際に「1馬力」で育てていくなかで、一番大変だったことは?
ジュリワタイさん:フリーランスなので収入が不安定ななかで、子どもが病気を患った時も一人で対応しないといけなかったことです。私はフォトグラファーなのですが、その対応をするため、出産後は人物撮影の仕事は辞め、物撮り専門に転身しました。実家の近くにスタジオを借りて、子どもがしんどい日は横にベッドを置いてケアしながら撮影したり、パソコンを開いてレタッチ作業したりして乗りきりました。
── 実際に子どもを育てていくなかで、産む前に描いていたこととのギャップを感じたこともあったのではないでしょうか?
ジュリワタイさん:産む前は「子どものために頑張って働こう」と思っていました。でも実際に子育てをはじめると、子どもと片時も離れたくないと思うようになったんですよね。保育園へ送って、帰宅したころには母が寝かしつけてくれていて。「こんなにかわいいのにそばにいられない。私、本当にこの生活がしたかったのかな」と思うこともありました。
シングルで子どもを産み、育てていくというのは自分で決めたことです。ただ、自分で決めたことだからこそ、弱音を吐きづらいと感じることはありました。
── 「もしパートナーがいたら」と考えることはありますか?
ジュリワタイさん:パートナーがいれば、「今日はこんなことがあって、こんなにかわいかったんだよ」と育児の喜びを共有し合えたのかな、とは思います。もともと自分のなかには、結婚して旦那さんがいて、かわいい赤ちゃんがいて…というような「幸せ像」があったんです。でもパートナーのこと、自分の年齢や身体の状況を考えると、 自分の人生において、この理想を叶えることはできない、と思いました。かつて抱いた「幸せ像」に当てはめるためだけに婚活をするというのはできなかったからこそ、今の選択になっていると思っています。
それでも後悔はないです。子どもがくれる愛情や一緒に積み重ねる体験は、自分の人生を全部変えるくらい大きいと思っています。娘から「無償の愛ってこういうことなんだ」と日々教えてもらっています。
── 今は娘さんとどんな時間を過ごしていますか?
ジュリワタイさん:もともと私はテレビゲームやレゴといったものが好きなんです。娘が小学生になった今は、まさに一緒にゲームをしたり、レゴを作ったりして楽しんでくれますし、「ママといると楽しい」って言ってくれるんです。成長と共に変わることもあるかもしれませんが、私と一緒にいて楽しいと言ってくれているうちは一緒に遊びに行こうと思っています。
取材・文:石野志帆 写真:ジュリワタイ