かつての「ポイ活疲れ」から一転、物価高で再び注目を集める「ポイ活」。しかしキャッシュレス決済やアプリが軸となった今、デジタルが不得手な人は「お得」を諦めるしかないのでしょうか。年50万円分を貯める達人・井上ポイントさんは、「苦手意識を捨てて、一歩踏み出してほしい」と語ります。スマホ格差が家計の格差に直結する時代、誰もが今日から始められる「人生を守るための備え」とは。
ポイ活だけで「ハワイ7回」分も家計に差が出る

── 芸能界屈指のポイ活芸人として、20年以上ポイ活を続けています。物価高などが叫ばれるこのご時世。世間からポイ活の需要を感じることはありますか?
井上さん:イベントなどでポイ活のノウハウをお話しするのですが、お客さんのほとんどが真剣にメモをとっています。客層は女性が多く、年代は40〜70代まで幅広いです。一緒に登壇している芸人からは、「芸人の話を聞きながらみんながメモをとっている光景は見たことがない。異色な光景だ」とよく驚かれます(笑)。
いっときは「ポイ活疲れ」なんて声も聞かれましたが、最近はインフレで、以前よりもポイ活の仕方やお金の運用について、周りから相談されることが増えたので、関心がより高まっているのを感じています。
── 井上さん自身、これまでポイ活をしてきて、得をしたと思うことはたくさんありましたか?
井上さん:僕がポイ活を始めたのは今から20年以上前の大学生のときだったので、スマートフォンもありませんでしたし、今ほどポイ活は盛んではありませんでした。ただ、各社がポイントを徐々に導入、スマホを使ったQRコード決済などが始まったことで盛り上がりを見せ、僕もキャンペーンなどを利用しながら貯めたポイントで支払いなどをするようになりました。その結果、年間50万くらいお得に過ごすことができ、ポイントで貯まったお金でこれまで7回もハワイに行くことができました。
── 年50万円お得になって、ハワイ7回。それだけ聞くと「みんながポイ活をすればいい」と思ってしまいますが、現実にはスマホが不慣れな高齢者など、デジタルに対応できない人にはハードルが高く感じられそうです。
井上さん: 今のポイ活はスマホが軸になっていて、お店も紙のポイントカードを廃止しているところは多いですよね。スマホをあまり使わない高齢者の方にはポイ活が難しいという意見もあると思いますが、イベント会場では70代以上の方も頑張ってデジタル対応しようとする姿勢がひしひしと感じられます。
もちろん、最初は会員登録やキャッシュレス決済の導入、キャッシュレス決済とクレジットカードとの紐付け、アプリの登録など必要で、操作も難しく感じる場合、心理的なハードルはあるかもしれません。ただ、毛嫌いせずにデジタルへの苦手意識を一度捨ててみましょう。ポイ活をするベースさえ整えれば、あとは使うだけで自然とポイントが貯まっていきます。そして1回でもお得に買い物ができた、ポイントを得られたなどの成功体験をすると、またこの気持ちを味わいたいとハマっていくと思います。
── 井上さん自身もそうやってハマっていったんですね。
井上さん:そうですね。僕の場合は、もはやポイ活はRPGゲーム感覚です。物を売っているお店が「敵」で、キャッシュレス決済は敵を倒すための「武器」。そのお店でどの武器を使えばいちばんお得に敵を倒せるか(支払いができるか)を考える。そこに、キャッシュレス決済の期間限定のキャンペーンがあれば、「魔法」として使ってさらにお得に。店舗独自の割引やポイントアップがあれば、それも「召喚」します。「武器」「魔法」「召喚」をどのように組み合わせるのがいちばん強いか考えて買い物に挑んでいます。たまに、「使える魔法があったのに気づいていなかった」と買い物後に気づくこともありますが、それも「今日は戦いに負けた(笑)」と割りきって、楽しんでいます。