「将来的に失明するかもしれません」。白い肌と髪のアルビノとして生まれたりり香さんが結婚後に医師から告げられたのは緑内障で失明の可能性があるという現実でした。幼い頃からの弱視に加え、次第に視野が暗くなっているという現在。不安を抱えながらも「きっと大丈夫」と前向きに生きるりり香さんが、今見ておきたい光景とは。

医師からの宣告を聞いた夫の言葉は

りり香
視力が低下し、自宅のソファもボンヤリ形が見える程度だという

── りり香さんは中・高校と特別支援学校で過ごしたのち、卒業後は若くして結婚されたそうですね。お相手にはアルビノについてどのようにお話しされましたか?

 

りり香さん:夫と親しくなっていく過程で、「私はアルビノで、こういう疾患です」とわざわざ説明したわけではないんです。たとえば一緒に過ごす時間が増えるなかで、どこかに出かけるときに「スマホの地図を見てみて」と言われたら、「スマホの地図は私には見えないんだ、ごめん」と私が返す。すると、彼が「そうなんだね」と理解してくれる。

 

そうしたことを一つひとつ積み重ね、彼の意見も聞きながら「この人となら大丈夫そう」と思えるようになりました。

 

── お互いに安心感が積み重なって。

 

りり香さん:はい。また、私は結婚後に「緑内障」と診断されました。初期に手術をすれば症状を抑えられる人もいるようですが、私の場合は病気の特性もあって、現時点では手術が難しいらしいんです。「将来的に失明するかもしれない」と医師から言われましたが、夫が「そうなっても大丈夫だよ。何も変わらないから」と言ってくれたことも心強かったです。

 

── 目の中のメラニン色素が薄いアルビノの人は、光の調整や網膜の発達の影響で視力が弱くなりやすいそうですね。緑内障が進行すると視野が欠けたり、失明につながったりすることもあるそうですが、りり香さんの現在の見え方はどのような感じですか。

 

りり香さん:私の場合は昔からずっと弱視でした。スーパーに並んでいる商品を見ようとしたら、顔をグッと近づけなければわからないくらい視力が低い。一般的な視力検査ではもう測れません。目の構造の問題なので、眼鏡やコンタクトレンズで矯正することもできません。

 

数年前に緑内障だと診断されてから、視力はさらに低下しています。上下左右ともに見える範囲がすごく狭いし、自宅のリビングのソファを見てもソファの輪郭がはっきり見えるわけではなく、ソファらしき形を脳が認識している、という感じです。

 

結婚後、北海道から神戸に引っ越した直後はしばらく大変でした。道の幅や歩道の広さが全然違ったので、感覚を掴むまでに結構時間がかかりましたね。新居も慣れるまでは1週間くらいよく壁にぶつかっていました。