あれ?暑がってるの私だけ?

松嶋尚美
2022年、息子のサッカーの応援に娘と

── ところで、マンションを引っ越して、介護のペースも徐々に掴めていったそうですが、そんな矢先に介護と子育てに加え、更年期症状が重なったそうですね。

 

松嶋さん:今、53歳ですけど、52歳くらいから更年期症状が始まって今も続いています。たとえば夏場、家族とリビングでくつろいでいても、自分だけ「あれ?クーラー効いてる?」って思うくらい暑さを感じる日があったんですよ。汗をダラダラかくほどではないけど、自分だけクーラーの温度を下げたり、戻したり。でも、誰も私ほど暑がらないし、途中から室温じゃなくて、自分の体調の問題かなと思いはじめたんです。家族にも「正直に言うわ。ママ、今、更年期症状なのかわからないけど、温度がよくわからない」と。

 

── 精神的な変化はありましたか?

 

松嶋さん:イライラすることはありました。「早くしてよ!」と子どもたちを急かしていたような気がするんですが、息子には「全然ママ怒らないよね」って言われたので、自分では怒っているつもりでも周りには伝わっていなかったのかもしれません。そこはよかったんですけど。

 

── イライラの頻度はどれくらいでしたか?

 

松嶋さん:1週間に2、3回くらいですかね。朝起き上がれないとか、寝汗がすごいといった症状は特に気にならなかったのですが、それでも何か不調をきたしている気がしてクリニックに行きました。クリニックでははっきりと更年期症状なのかわからないけど、その可能性があるからと薬を処方してもらいました。ありがたいなと思うのは、更年期症状とか関係なく、私が疲れていると家族が察してくれて「今日は出前にしようか」と言ってくれるので助かりますね。

 

── また、息子さんが現在中学1年生(4月から2年生)、娘さんが小学5年生(4月から6年生)ですが、更年期症状と同時に、お子さんたちの反抗期を感じることはありますか?

 

松嶋さん:息子は反抗期というほど反抗期は来てないですね。強いて言えば、言われたことをすぐしないから私が言うくらい。たとえば「学校から帰ってきたらすぐにお弁当箱出して」「わかった」「まだ出てない」くらいの会話です。もしこの先、本格的に反抗期が始まったとしても大丈夫です。私が今、更年期症状に突入しているので、息子にも「反抗期」対「更年期症状」でバチバチ対決なるねって先に笑い話にしていますし、なったときはなったとき考えたら。

 

娘は小学5年生ですが、娘もまだといえばまだなのかな。娘いわく「私、反抗期いずれくると思うから、覚悟しておいてね」と言われています。私の更年期症状と子育てが同時にきていますが、基本的に会話の多い家族です。つらいときはつらい、休みたいときは休みたいと言いながら、あまり力まずにやっていけたらいいなと思います。

 

 

昨年、約24年続いた番組『きらきらアフロ』が惜しまれながら終了した松嶋さん。今年で芸歴は32年。20代、30代のころは仕事に対して不真面目な部分があったそうですが、年齢を重ねるにつれ、仕事との向き合い方も変わっていったそうです。

 

PROFILE 松嶋尚美さん

まつしま・なほみ。1971年生まれ。大阪府出身。93年お笑いコンビ・オセロとして活動。08年に結婚し、11年に長男、13年に長女を出産して2児の母。13年コンビ解散後もソロとして活躍中。

 

取材・文/松永怜 写真提供/松嶋尚美