2021年9月、松嶋さんの母の介護をしていた松嶋さんの妹が倒れたことで、家族の状況は一変。大阪に住む母を呼んで同居に踏みきるも、予想外の苦労があったといいます。(全4回中の1回)
母の介護をしていた妹が突然倒れて

── 松嶋さんの妹さんが倒れたとき、どのように松嶋さんに連絡がきたのでしょうか。
松嶋さん:突然姪(松嶋さんの妹の娘)から電話がきて、「お母さんが倒れて心肺停止になってる!」って号泣してるんです。妹はもともと喘息を患っていて、過去に集中治療室に2回入ったことがあるので、今回もその電話かと一瞬思ったら心筋梗塞でした。その後、どうにか心臓は動いたんですけど、意識が戻らないまま1か月過ぎて。当時はコロナ禍で病院の面会制限も出ていた時期です。姪が病院に毎日電話して、看護師さんから(松嶋さんの)妹の状況を聞き、私に報告してくれる日々が続きました。私も妹が入院している大阪の病院に2回くらい行きましたが、やっぱり面会できなくて、看護師さんから「病室から1階の検査する部屋に移動するから、その一瞬でよかったら顔が見られそうですが、それでも大丈夫ですか?」と言われて、そこで顔をチラッと見た程度でした。
それでも何かできることはないかと思い、看護師さんに「家族の声を録音したものを妹の枕元に置いてほしい」とお願いしたんです。看護師さんは忙しそうでしたが、要望を聞いてくださって。その後、しばらく廊下にいたら、看護師さんが急いで私たちのところにやってきて「妹さん、反応しました!無言で涙を流しています!もっとこうした録音取れますか?」と言われたんですね。寝たきりだけど、耳だけは聞こえてるんだ、と家族で話していたら、そこから10日後くらいに意識が戻りました。倒れてから40日くらいですね。ただ、体の機能が一気に落ちてしまって、今は療養型の病院に入院しています。
── 妹さんが倒れてから、今まで妹さんが介護していたお母さまはどうなったのでしょうか?
松嶋さん:しばらくは、姪が1人で妹と母の面倒を見ていましたが、姪1人に任せるのも気が引けました。また、姪と私の母は昔から一緒にいる時間が長かったからか、妹の介護によって2人のケンカも増えてしまったんですね。私も東京に住んでいるから姪と母の間に介入しにくいし、どうしたもんかなと毎日夫に愚痴っていたら、夫が「お母さんを東京に呼んで、一緒に暮らそうよ」って言ってくれて。夫の言葉がすごくありがたいなと思ったし、私たち夫婦も覚悟を決めました。