2.5次元ボディで花開く今「筋トレが自信をくれた」

桃戸もも
私服姿の桃戸さん

── 本格的に芸能活動を始めたのはいつごろですか?

 

桃戸さん:大学3年生のときです。きっかけは、バイト先の先輩に誘われて始めた「筋トレ」でした。ダイエット目的ではじめたものの、「せっかくだから大会に出てみよう」と、身体の美しさを競う「ベストボディ・ジャパン」という大会にエントリー。約半年で7キロ減量して挑んだ大会では、予選は通過したものの本選で落選。負けた悔しさで、筋トレにますます力を入れるようになりました。大会後は、ジムに入会してパーソナルトレーニングを受けながら、本格的に体づくりにチャレンジしたんです。

 

──「ダイエット」から「大会入賞」に目標が変わっていたのですね。

 

桃戸さん:負けず嫌いな性格なんです(笑)。当時のアルバイト代のほとんどが、ジム通いと大会出場のための費用として消えていきました。その後、大会で入賞できるようになり、自分の身体に自信が持てるようになったことで、「芸能界にチャレンジしたい」という意欲にも再び火がついて。オーディションを受けるなど、憧れだった芸能界に向けて本格的に動き出せるようになったんです。

 

桃戸もも
桃戸ももさん

── その後、大学を休学されています。その理由は…?

 

桃戸さん:芸能活動に専念するためです。大学3年生のときにオーディションを受け、芸能事務所に入ることが決まりましたが、当時の私は、まだ「就職」という選択肢も捨てきれずにいて。父親に相談したところ「やりたいことをやるのがいいと思う」と応援してくれたので、自分の可能性を見極めるために、1年間の休学を決意しました。レースクイーンの仕事をメインで行うなかで、「芸能界でやっていこう」と考えるように。コスプレもこの時期に再開し、現在のXの(旧twitter)アカウントを開設しました。

 

── 現在では、22万人以上のフォロワー数を抱える人気アカウントですよね。

 

桃戸さん:私のコスプレ写真を見た当時のマネージャーさんから「こんなにクオリティーが高いなら、コスプレ専用のアカウントを作ってみては」とアドバイスいただいて。その言葉が立ち上げのきっかけになりました。

 

── 今では「2.5次元ボディ」と称される抜群のスタイルで、人気コスプレイヤーとしての階段を駆け上がりました。高校時代からの苦労や葛藤を乗り越えて、現在の成功につなげたのですね。

 

桃戸さん:母の介護や死別、進路の選択などさまざまな思いを抱えてきましたが、「芸能活動に力を注ぐ」と決めてからは、「頑張ろう」と気持ちを切り替えることができました。

 

自分1人ではどうにもできないようなメンタルになったときも、周りの友人に恵まれていたこともあり、友人からもたくさんエールをもらって今こうして活動ができています。過去は苦しい思いもたくさんしましたが、今はコスプレイヤーや俳優としての仕事がとても楽しく毎日が楽しくて仕方ないです。これからはもっと活動の幅を広げてたくさんのことを経験していきたいと思っています。

 

 

最近では1日1回SNSで漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するキャラクターのポーズを真似た「ジョジョ立ち」を投稿し続けたことでも話題を集めた桃戸さん。コスプレのために筋トレは今でも継続中で、体脂肪率は18%をキープしているそうです。

 

PROFILE 桃戸ももさん

ももと・もも。1996年生まれ、神奈川県出身。大学3年で芸能活動を開始し、コスプレイヤー、モデル、俳優として活動。筋トレによって鍛え抜かれた抜群のスタイルで「2.5次元ボディ」と称される。ボディメイク大会での優勝経験あり。著書に『尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ』などがある。

取材・文/佐藤有香 写真提供/桃戸もも