気仙沼出身のマギー審司さん。炊き出しボランティアを行う最中、クレープを握りしめた少女と出会います。この出来事が、その後の支援のあり方を見つめ直す転機になったそうで──。(全2回中の2回)
支援のあり方を考えたクレープ少女との出会い

── 2011年3月に東日本大震災が発生。その後、被災地を何度も訪れているそうですが、印象的だったできごとがあったそうですね。
マギー審司さん:震災から1か月経ったくらいですかね。突然、1人の女の子がクレープをふたつ持ってきて、被災して炊き出しに並んでいる人たちに「どうぞ」って渡そうとしていたんです。でも、誰も受け取ろうとしなくて、僕のところにもやってきたんですね。僕は仕事で撮影に来ていたし、知らない子のクレープを受け取るような空気じゃなかったんですけど、「ここは食べるべきだ」と、ふと思ったんです。その子が「どう?おいしい?」って言いながら、人に何かしたことでたぶん笑顔になれるだろうし、僕もきっと優しい気持ちになると思ってありがたくもらうことにしました。
── 実際、女の子は喜んでいたのでしょうか?
マギー審司さん:たぶんそうだったと思います。被災地では、どうしても現地の方が支援を受ける場面が多いと思いますが、いっぽうで自分達も人に何かしてあげたいっていう気持ちがあるんだと実感して。その出来事がきっかけとなり、僕らがおもてなしを受けに行くことを考えたんです。題して「おもてなしを受けにいく気仙沼ツアー」です。
── たとえばどんなことでしょうか?
マギー審司さん:僕の知り合いの人たちに声をかけて、バスツアーで被災地を訪れ、営業を再開した気仙沼のお店や飲食店など回り、夜は「気仙沼ちゃんの宿アインスくりこ」というところで豪勢な食事を目一杯出して頂きました。被災地にお金を使うことで、少しでも復興に役立てばと一度開催したんです。被災地の方は「今は皆さんの気持ちに甘えさせてもらいますと。でも自分達が元気になって、何かどこかで起きたときは必ずお返しさせていただきます」とおっしゃっていましたね。実際、熊本地震や能登半島の震災など、すぐに動かれていたかと思います。