イチローさんのものまね芸を始めて約15年のニッチローさん。超有名人とたまたま似ていたことから、自分の仕事はこれだと胸を張って芸に生きています。実際にイチローさんの兄や父に会う偶然も。かけがえのない時間だったそうです。(全3回中の3回)

フォルムが大事「ランニングは欠かせません」

── イチローさんのものまねで知られるニッチローさん。ものまねをする上でのこだわりといえば?

 

ニッチロー、イチローの実兄
「奇跡のコラボ!」ニッチローさんとイチロー実兄のツーショット

ニッチローさん:顔の右側のほうが似ているので、カメラに映るときはなるべく右側をみせるようにしています。そして笑顔はなし。あと大切なのは目で、ちょっと力を入れて細めます。だから写真はいつも同じ顔で、右側の写真ばかりになっちゃうんです(笑)。

 

僕のものまねはいっさいしゃべりません。しゃべらないほうがおもしろいと思っていて。ものまねでしゃべったり歌ったりする人はたくさんいるけれど、みんなと同じことをしてもしょうがない。人と違うことをしたかった。自分なりにおもしろいことを考えるのが好きで、パフォーマンスの登場の仕方や音楽など、演出もすべて自分で考えています。もともと学生時代は演出家を目指していて、それがいまになって生きているのかなと思う部分はありますね。

 

ニッチロー
自分の原点と語る代々木上原のカフェで

── 体つきもイチローさんそっくりです。トレーニングなどはされているのでしょうか?

 

ニッチローさん:朝は毎日走っています。今日も11キロくらい走ってきました。約1時間です。イチローさんはあまりゴツいタイプではないので、ガタイがよくなりすぎてもいけないし、細すぎてもいけない。体を整えるという意味でもランニングがちょうどよくて。ジムにも通っています。ものまねで走るネタはあるので、体はやっぱり動かしていたほうがいい。健康にもいいですしね。体が資本なので、何より健康でいることが大切。つい先日も人間ドックに行ってきました。自分的には「メディカルチェック」と、言ってるんですけど(笑)。

 

フォルムは最も重視しているところです。やっぱり全体の雰囲気で似ているのがいちばん。体つきでこだわっているのは、脚からお尻にかけてのライン。現役時代のイチローさんの脚はけっこうパツパツで、ユニフォームを着たときのラインを考えて、筋トレなどでお尻や脚を鍛えるようにしています。僕自身も年をどんどんとっていくので、いままで以上に体をちゃんと整えていかないといけない。そこは絶対に崩してはいけない。やっぱりイチローさんのものまねをするからには、文句は言わせたくない、という気持ちはあります。

貫くイチロー愛「車のナンバーは51、起床は51分」

── イチローさんが引退したときはやはりショックでしたか?

 

ニッチローさん:信じられないという気持ちがありました。ただ、引退後に殿堂入りして、それが51歳だった。51は現役時代のナンバーで、さらに殿堂入りの日がイチローさんがよく食べていたカレーの日なんです。やっぱりイチローさん、持ってますよね。僕もイチローさんのナンバーにはいろいろあやかっています。

 

── たとえばどんなことを?

 

ニッチローさん:僕がプロの芸人になろうと心を決めたのは、イチローさんが史上初の10年連続200安打を達成した2010年9月23日でした。実はこの日は偶然にも、僕の誕生日でもあって。ちなみに、うちの姉はイチローさんと同じ10月22日が誕生日なんです。しかも血液型も同じB型。だから、姉と誕生日を交換したいくらい(笑)。

 

長男が10月15日に生まれたので、イチローさんの誕生日の10月22日に届けを出しました。届けは出生の前後2週間までいいそうです。産まれるまでは、「もしかしたら、22日産まれになるのでは?」と思ったけれど、実際は1週間早かった。でも誕生日の「15」も、数字を逆にするとイチローさんの背番号「51」ですから。

 

ニッチロー
オーダーしたゴルフクラブにも「51」の刻印が

イチローさんの名前から「朗」の一字をいただいて、長男と次男の名前に「朗」をつけています。長男はいま6歳。もう左打ちになっています。一緒に遊んでるときに「こうやって構えるんだよ」と教えて、左打ちにしました。次男は2歳10か月。イチローさんがテレビに映っていると、「あれ、パパがテレビに出てる」って、なってますね(笑)。

 

僕の個人事務所名はマリナーズならぬ「マネナーズ」。車のナンバーも51です。朝起きるときは「51分」にセットするようにしています。居酒屋やサウナなどロッカーでは必ず「51」を探します。空いていなければ、ニューヨークヤンキース時代の背番号の「31」。それもなければ、ニッチローだから「21」でもいい。どれもなければ、「イチ」ローさんの「1」番でもOKです。