4年半の不妊治療の末に妊娠し、2022年に第一子を出産した時東ぁみさん。その出産体験は想定外の出来事の連続だったそうで ──。(全3回中の2回)

どこからが陣痛なのかいまだにわからない

時東ぁみと息子
家族でお宮参りへ

── 4年半の不妊治療を経て妊娠し、2022年に出産されたお子さんは今年の3月で3歳になります。妊娠がわかったときはどのようなお気持ちでしたか?

 

時東さん:治療期間が長かったので、うれしいのと同時に不安が大きかったですね。妊娠は病院の血液検査でわかったのですが、そのときは子どもの胎嚢が見えていない時期で、まだまだ安心できないなと。心拍が確認できたときに初めてホッとすることができ、そこで不妊治療のために通っていた病院を卒業となりました。「卒業おめでとう」と病院で言われたときは、思わず涙が出ましたね。

 

── 妊娠がわかってから出産まではどのように過ごされていましたか?

 

時東さん:不妊治療をしているときに、体質改善のために骨盤矯正で骨格や内臓のズレを直し、それを維持するために筋トレを始めました。トレーニングがすごく楽しくてハマってしまい、妊娠中も安定期に入ってからは無理のない範囲で続けていました。

 

トレーナーの方に話を聞くと腹圧をかけるようなトレーニングはもちろんダメですが、出産のときには骨盤底筋という筋肉が重要ということなので鍛えました。出産では骨盤底筋が開いて赤ちゃんの産道になるため、下半身がダメージを受けやすく、産後は筋肉が緩んで尿漏れなどが起こりやすくなるそうなんです。産後に読んだ本にも骨盤底筋を鍛えることで尿漏れが改善すると書いてあったので、トレーニングしたことは間違っていなかったのだと思いました。

 

時東ぁみ
トレーニングに励む時東さん

── 出産時はいかがでしたか?

 

時東さん:無痛分娩を希望していたのですが、分娩台にのってから45分ほど、麻酔が効く前に産まれてしまいました。トレーニングの成果かはわかりません(笑)。

 

実は産まれたのが予定日よりも1か月近く早く、最初は陣痛だと気づかなくて。どこからが陣痛だったのか、いまだにわかっていません。生まれた日の日中にマタニティフォトの撮影をしたときに少しお腹がズキズキしたのですが、時期的に前駆陣痛かなと。夜になっても笑ってテレビを見ていられるくらいだったのですが、だんだん座れないほどお腹やお尻のあたりが痛くなってきて…。そうしたら大量出血していたんです。

 

病院に電話したところ「話せないほど痛いなら、すぐに来てください」と。「まだ1か月もあるのにまさか」と思ったのですが、病院に着いたころには子宮口がすでに4cmも開いていて、数分後には7cmに。さらに破水してしまい「パパを呼ばなきゃ!」となりました。

 

── 立ち会い出産だったんですね。

 

時東さん:出産専門の病院だったため、コロナ禍でも立ち会いがOKだったのですが、体調管理シートというものを提出することが条件でした。夫もまさか1か月早く出産するとは思っていなかったらしく、慌てて来てくれたものの、体調管理シートを忘れてきて(笑)。急いで取りに戻って、ギリギリ間に合ったという感じでした。