生成AIを導入して将来は魔女になりたい

── 素敵な考え方ですね。ニクヨさんは、自分の将来についてどんなふうに考えていますか?
肉乃小路ニクヨさん:まだまだいろんなことを知りたいし、長生きもしたい。目指しているのは「魔女」ですね。魔女ってものすごく物知りで、長生きの印象があります。知識欲や健康欲の結晶のような存在が「魔女」な気がしていて。辛酸なめ子さんには「白魔女ですか?黒魔女ですか?」と聞かれたんですけれど、漠然としたイメージとしては、『西の魔女が死んだ』という小説に出てくる魔女みたいになりたいんです。とはいえ、別に魔術的なものを取り入れるわけではなく(笑)、これまで経験したことを踏まえて、言葉や考え方をアップデートし続けていけば自然とそうなるんじゃないかなと思っているんです。それによって、生き方がラクになったり、健康で長生きするヒントが見つかったり。今は変化のスピードが速いから、日々アップデートするだけで大変な時代。だからこそ、それを丁寧にやっていけば、十分な知識は得られるんじゃないかなと。
── たとえば、どんなアップデートを?
肉乃小路ニクヨさん:最近、AIを導入したところですね。生成AIモデルのGoogle Geminiの有料プランに入って、いろいろとヒントをもらっています。たとえば車窓動画で「この区間からこの区間でなにかおもしろい地域情報はありますか?」と質問をして、そこで得た情報をもとにいろいろ調べてみたり。映画会のトークテーマをAIに一緒に考えてもらったり、映画会の議事録を作ってもらったりと、なかなか役に立ってくれていますね。
── 最新のテクノロジーも取り入れながら、魔女化計画が進んでいるわけですね(笑)。
肉乃小路ニクヨさん:そうした一つひとつのことが楽しいんです。いろんな新しいことを抵抗なく取り入れながらアップデートを繰り返して、「現代の魔女」を目指します(笑)。
PROFILE 肉乃小路ニクヨさん
にくのこうじ・にくよ。1975年、千葉県出身。大学時代に女装をスタート。卒業後は金融業界でキャリアを積む。並行してショウガール・ゲイバーのママとして勤務。42歳でフリーランスに転身。「経済愛好家」「コラムニスト」「ニューレディ」の肩書をもつ。著書『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』(KADOKAWA)絶賛販売中。カセットガール楽曲「蜃気楼」配信リリース中。
取材・文/西尾英子 写真提供/肉乃小路ニクヨ