仕事が増えてきた中での子育て「ますます僕らの出番」

── 現在3歳とのことで、イヤイヤ期もあったと思います。

 

南條さん:双子ならではの思わぬ効果があり、意外と大変ではなかったんです。というのも、片方がわーっと泣き出すと、もうひとりはドン引きしてその様子を見ているんです。子どもなりに「ワガママを言って大泣きするのはカッコ悪い…」とか思うんですかね。すごく冷静になっていました。どちらも駄々をこねることはあるんですが、そのたびにもう一方の子が落ち着くんですよ。それを何度も繰り返した結果、ふたりとも「ワガママを言うとまわりに迷惑をかける」と学んだみたいです(笑)。双子だと社会性を学ぶ機会が多いのかもしれません。

 

三島さん:うちはイヤイヤ期がそんなに激しくなかったんです。かわりに生後半年くらいまで、ずっと大泣きでした。心配になるくらいだったんですが、その時期に泣きつくしたのか、すっかり落ち着いています。子どもって成長するにつれて変わってくるものなんだなと思います。

 

── おふたりとも、育児にきちんと関わっている印象を受けます。

 

三島さん:子どもが生まれたとき、ちょうど仕事が増えてきたタイミングでした。すごく忙しくて育児にはなかなか関われませんでした。僕は空いている時間にお風呂に入れるくらいだったから、妻には本当に感謝しています。最近は、子どもから見たら僕の存在って、親というより「めちゃくちゃ遊んでくれる友だち」に近いのかもしれません。一緒に遊ぶ機会が増え、子どもとの時間を大切に楽しんでいます。

 

南條さん:小さいときはやっぱりママが中心で、「パパじゃイヤ」みたいに言われることがありました。最近になってコミュニケーションが増え、楽しく関わっています。今朝も仕事前、横浜までプリキュアのコンサートに連れて行き、入口まで見送ってきました。赤ちゃんのころは育児について何もわからず、妻に言われるがまま手伝っていた感じだったんです。これからパパの出番が増えていく気がします。

 

 

もがき苦しんだ30代を経て、仕事も育児も自分たちのスタイルを確立してきたすゑひろがりずのおふたり。芸人としても、パパとしても、さらなる活躍が期待されます。

 

PROFILE すゑひろがりず

お笑いコンビ。2011年、NSC大阪校28期生の南條庄助と三島達矢がコンビを結成。日本の伝統芸能である狂言の要素を取り入れた「狂言風漫才」が注目を集める。2014年、キングオブコント準決勝進出。2019年、M-1グランプリ2019決勝進出。2020年には南條庄助がR-1ぐらんぷり第3位を獲得。2022年、第七回上方漫才協会大賞で大賞受賞。

 

取材・文/齋田多恵 写真提供/南條 庄助、三島 達矢