『紅白歌合戦』のB’zのパフォーマンスに感動し

山葵
『SASUKE』の後はバンドのツアーへ

── 11月からは和楽器バンドのツアーでした。そちらはいかがでしたか?

 

山葵さん:リハーサルの時点でかなり体力が落ちていると感じ、「大丈夫かな…」と少し不安になりました。活動休止前のファイナルツアーということでいつもよりボリュームもあったし、持久力もないし頭も回らなくて…。そのころに原因不明の咳もずっと続いていたので、ドラムのパフォーマンス中はいろいろつらかったですね。本番の前に、本番と同じように最初から最後まで行う通しリハーサルをやったのですが、これが本当にしんどくて。演奏中は周りに心配をかけないようにしていましたが、終わった後は30分くらい動けなかったです。

 

── そのような状態でも頑張れたのはなぜですか?

 

山葵さん:やっぱりファンの皆さんのおかげです。 活動休止前のファイナルツアーなのでどうしてもツアーでこれまでの恩返しがしたかった。それが使命だと思っていたので、そのためにもこの状態を乗り越えて、ボロボロになっても感謝の気持ちを伝えたいと思いましたね。

 

──『SASUKE』やツアーを終えて、反響などはありましたか?

 

山葵さん:ツアー前に病気のことを公表していたので、ファンの方からは感動したなどの声をいただきました。あとは『SASUKE』を見た同年代の友人から、周りにも同じような病気の人がいるので、僕が頑張っている姿を見て勇気をもらったと。SNSにも感動して泣いた、エネルギーをもらったなどのコメントがあり、結果的に両方とも出られてよかったと思っています。

 

── 今後の目標があれば教えてください。

 

山葵さん:現在、全盛期の80%くらいにまで体力や筋力が戻ってきたので、まずは100%に戻すこと。あとは昨年末『紅白歌合戦』で話題になったB’zさんをみて、年齢を重ねてもあれだけのパフォーマンスができるってすごいって思って。そのためには健康でいることがいちばんだと思うので、体を維持しながらハイパフォーマンスがずっとできるように頑張りたいです。

 

山葵
最近はボルダリングにハマっている

 

PROFILE 山葵さん

わさび。1988年、中国遼寧省生まれ岡山育ち。2013年から和楽器バンドのドラマーとして活躍。音楽活動だけでなく、2022年、ボディコンテスト・APF JAPAN CLASSICに出場し、メンズフィジークファーストタイマー優勝。TBS系『SASUKE』にも出場している。

取材・文/酒井明子 写真提供/山葵