元気でパワフルなイメージがある歌手のマルシアさんですが、15年ほど前から更年期障害に悩んできたそうです。原因がわからず長年苦しんだ経験から「40歳を過ぎて身体の不調を感じたら、婦人科には行ってほしい」と話します。(全5回中の1回)
40歳ころから体調不良に「年に数回倒れることも」
── マルシアさんは長年、更年期障害とつきあってきたそうですね。いつから身体の不調を感じるようになったのですか?
マルシアさん:かなり早くて、40歳くらいからです。当時は年に数回倒れていました。吐き気がひどくて立ち上がれなくなるほどだったんです。それまで経験したことがないような具合の悪さでした。しかも体調に波があって、大きな仕事が入っている日に限ってぶっ倒れてしまうことも。ボロボロの体調で、はうようにして仕事場に行っていました。
![マルシア](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/7/4/780w/img_74f3126d28d40489a25e4f0cea77be8d1612064.gif)
ただ、不思議なことに、仕事はきちんとできていました。テレビはもちろんですが、舞台やミュージカルはとくに体力を使います。公演が始まり、幕が上がるとスイッチが入ってちゃんと歌えて踊れていたんです。でも、幕が下りた瞬間、身体じゅうから力が抜けてしまう。胃カメラなどの検査をしたのですが原因がわからず「私の身体、どうしたんだろう?」と、不安な毎日を過ごしていました。いま思えば、それが更年期障害の始まりでした。それまで、40歳後半になってから症状が出るものだと思っていたんです。だから、40代前半で具合が悪くなっても、婦人科に行こうとは思いつきもしませんでした。
「ホルモン補充療法」を受けて症状が改善
── 更年期障害が原因だとわかったのは、いつころだったのでしょうか?
マルシアさん:50歳のときに更年期障害の一般的な症状である「ホットフラッシュ(主に、急な顔の紅潮などほてりや発汗が起きたり、脈拍が増加したりする)」が起きたんです。そのとき「あ、これ更年期障害なんだ」と気づいて、はじめて婦人科に行きました。そこでホルモン検査を受けて数値が低いことがわかったんです。
![マルシア](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/8/0/759w/img_801a92aa5df257190b4a4afd1277861f380771.gif)
更年期障害の原因は女性ホルモンの減少と言われています。そのため、現在は女性ホルモンを補充する、ホルモン補充療法を受けています。「貼るタイプ」「飲むタイプ」「塗るタイプ」など、さまざまなホルモン剤があるので、いろいろ試して自分に合ったものを選びました。おかげで悩んでいた症状がまったくなくなりました。現在は問題なく、ふつうに生活しています。
── ホルモン補充療法の効果があったのですね。
マルシアさん:私は体調の心配をせずに舞台に立って歌いたかったから、この治療法を選びました。この治療を行うか、行わないかはそれぞれの人の価値観によると思います。治療を受ける前に医師から、「ホルモン補充療法を受けると、受けない場合よりもわずかに乳がんのリスクが高まる可能性がある」という説明があったんです。だから毎年、2回は乳がんと子宮がんの検査を受けています。治療のメリットやデメリットを理解したうえで、選択していくのがベストではないかと思いますね。