高野志穂という人生を豊かにするための挑戦を

── これからの目標はありますか?

 

高野さん:健康で明るく生き生きと暮らしたいですね。次男の出産直後、コロナ禍での産後や育児を経験したこともあって、「当たり前にできていたこと」ができなくなり、「当たり前」がどれだけ尊いことなのか、身をもって知りました。コロナ禍は、日々の生活に追われて疲れているうえに、感染予防のために「あれもダメ」「これもダメ」って子どもたちに言い続けなきゃいけない環境が続いて。自分がどんどん萎縮するような感覚になってしまっていたと思います。

 

でも、そんな日々を経験して思うのは、自分が健康で明るく生き生きしていれば、家族中が明るくなって、息子たちも生き生きするはず、ということ。そんな息子たちの姿から私たち親も幸せを感じることができて、自分の人生をのびやかに生きられると思うんです。

 

高野志穂
好奇心旺盛な高野さん。茶道を嗜むことも

将来の目標は、シワくちゃのかわいいおばあちゃんになること。「なんでそんなに元気なの?」って、近所の小学生たちに言われるような。50代を前に、これから高野志穂という人生を豊かにしていくために、いろんなことに挑戦したいと思っています。

 

最近やってみたいと思うのが、走ること。走ることでひとりの時間も得られる。思考の整理ができる。元気なおばあちゃんにも近づく!一挙両得です!でも、私が走り始めたら、息子たちも「一緒に走りたい!」って言い出すかもですけどね…(笑)。

 

 

幼いころから100%の力で夢に向かって努力してきた高野さんのパワフルさは今も健在。「自分の人生を豊かにするための挑戦は惜しまない」ことは、簡単そうで難しい。けれど自分もそうありたい…そんな思いを新たにしたインタビューとなりました。

 

PROFILE 高野志穂さん

たかの・しほ。1979年、東京都生まれ。父の海外赴任で、幼少期からバーレーン、シンガポール、英国(マンチェスター、ロンドン)で暮らす。15歳で帰国。1998年に俳優デビュー。2002年放映のNHKドラマ『さくら』ではヒロイン役を演じる。その後、ドラマ、映画、舞台などで様々な役で活躍している。2児の母。

 

取材・文/高梨真紀 写真提供/高野志穂