20歳と16歳の子を育てる小日向しえさん。母として男の子の子育てには苦戦することもあったそう。迷いや葛藤を通して身についたのは「受け流す力」だったと過去を振り返ります。(全4回中の2回)
私が悪いわけでもないし、息子も悪くない
── 現在、20歳と16歳になる息子さんがいらっしゃいます。子育てについて伺わせてください。
小日向さん:子どもたちも大きくなって、ようやく自分の時間も作れるようになってきました。これまで子どもたちの学校のクラス役員や校内紙を作る係なども経験し、やるまでは、「私に務まるだろうか…」という未知の領域でしたが、いざやってみると、自分の世界が広がるいい経験になりました。学校に行く機会が増えるので、家では見られない子どもの姿を見ることができて新鮮だったり、今でもずっと仲良くしているママ友たちとの素敵な出会いがあったりと、本当にやって良かったと思っています。
── 男の子は女性にとってわからない部分が多く、子育てに苦戦するママは少なくありません。小日向さんはいかがでしたか?
小日向さん:たしかに。母親からすれば、男の子って何考えているのかよくわからないところがありますよね。「なんでこんなに機嫌が悪いんだろう」とか「何に対してそんなに怒っているんだろう」と感じる場面もしばしば。それをいちいち真に受けていたら、こちらもへこんでしまいます。気持ちが波立ってイライラしてしまうことは、心が成長する過程で必要なこと。「私が悪いわけでもないし、息子も悪くない」と、気にしないようにしようと心がけていました。子育てを通じて、受け流す力が身についた気がします。
── 真正面から受け止めすぎないことは大事ですよね。反抗期もそうした「受け流す力」で乗り越えてこられたのでしょうか?
小日向さん: 長男の場合、「うるせえ」とか「ババア」とは言われたことはなかったですが、年相応に反発したり、態度が悪かったりというのはありました。でも、不機嫌になったり、偉そうに振る舞ったりする息子を見ても、「虫のいどころが悪いのかな?」ぐらいに捉えるようにしていました。なので、「なんでそんな態度を取るの⁉」と怒ったりすることは、あまりなかったんじゃないかなと思います。