「70歳まで仕事を」ジャマイカへお墓参りも
── 異国の地で妊娠・出産を経て、日本に帰国後もキャリアを重ねてこられました。最後に、今後のビジョンを聞かせてください。
鈴木さん:今やっている英語塾「地球塾イングリッシュスクール」が、今年で20周年を迎えるんです。25周年までやると私がちょうど70歳になるので、この仕事は70歳まで続けようと思っています。ジャマイカで旅行の仕事をしていたとき、日本人観光客は自分の思いを表現することが少ないなという印象を受けていたんです。たとえば、水が出なかったときやお湯がぬるかったときにフロントに伝えず、私に「言ってほしい」と電話をかけてきたり、現地で起きた嫌だったことを我慢して帰国してから話してくれたり。ほかの外国人は英語が話せなくても自国の言葉でまくし立ててくることが多かったので、日本の子どもたちにも、自分が思うことはどんどん表現できるようになってほしいなと思っています。1人でも多くの子どもたちにプレゼンテーション能力を身につけてもらうことが私の最後の仕事かなと考えています。
ジャマイカにいる武蔵の父親も次男の父親も、亡くなったんです。数年前に次男の父親が亡くなったときは、ちょうどコロナ禍でお葬式に行くことができず、予防接種などの条件をクリアしてからようやくお墓参りに行きました。一昨年の12月にもジャマイカへ行ったので、武蔵の父親にも久しぶりに会おうかなと考えたのですが、いろいろな人に聞き回っても彼の電話番号がわからなくて。「また次に会えばいいか」と思っていた矢先の昨年4月に、亡くなったと知りました。
次にジャマイカへ行ったときは2人のお墓参りをして区切りをつけて、やっぱりちょっとさみしいので、日本で婚活をしてみようかなと考えています。30代からジャマイカ人としかおつき合いしていなかったから、日本人男性と会うとしたら数十年ぶりになってしまうのでドキドキなんですけど、ちょっとやってみようかなと思っています(笑)。
PROFILE 鈴木真理子さん
すずき・まりこ。埼玉大学を卒業後、国内の旅行代理店を経てジャマイカ専門旅行代理店の現地法人で勤務した。長男(サッカー・鈴木武蔵選手)、次男を出産後に帰国。地元・群馬県太田市で英語塾「地球塾イングリッシュスクール」を経営するなどしながら兄弟を育て、現在も現役で講師を務めている。
取材・文/長田莉沙 写真提供/鈴木真理子