経済力や人間的な部分は大事なれど…、令和の婚活事情は「顔面から肌や指先まで」が問われる時代になったようです。話題の結婚相談所が明かす「結婚できる人」「できない人」の差とは?(全2回中の2回)
祖父母の代までわかれば「その人」が見えてくる
── 業界平均成婚率15%といわれるなか、植草さんが代表を務める結婚相談所・マリーミーは80%という脅威の数字を打ち出しています。その秘けつは何なのでしょう?
植草さん:パターンを作れている、ということでしょうか。これまで1200組以上のカップルをご成婚させた実績があるので、そうなると、だいたいパターンがわかってきますよね。新しい方がいらしたら、この人に合うのはあの会員さんで、お見合いして、交際に発展して、このくらいのタイミングで成婚になる、という流れが見えてくる。そのために大切なのが、最初にいらしたときにしっかり聞き込みをするということ。ご本人の生まれ育ち、持病、宗教、それからお父様、お母様の学歴、職業、年収、どんな地域で育ってこられたか、さらにおじいさま、おばあさまがどんな方なのかということまで、徹底的にお聞きします。
たとえば、おじいさまが昭和初期生まれで大学院を出ていると言ったら、もうすごいわけですよ。当時、大学院に進学した人なんてそうそういないわけですから。会員さんの3代前までを聞けば家柄がわかってくる。価値観や暮らしぶりも見えてくるので、そこからマッチングしていけばいい。私たちは当たり前にしていることだけれど、その聞き込みがなかなか難しいんでしょうね。みなさん「目の前にいる会員さん」のことしか見ないので、背景をスルーしてしまうんです。
それが成婚率の大きな違い。だから、他社でアドバイザーをしていた人が転職してくると、もう震え上がりますね。朝礼で「今日は11時、13時、15時にご成婚の方がお越しになります」と言うと、「今日1日で3組成婚ですか?」と驚いてしまう。それまでいた会社は1年間に8組、せいぜい10組というレベルだったから。自分はキャリアがあると思って勢いよく転職してきたけれど、当社の1年目、2年目のアドバイザーのほうが仕事ができる。それで恥ずかしくなってしまうのでしょう、休憩時間にパソコンをパタっと閉じて帰っちゃった(辞めてしまう)人が、2人くらいいましたね。
── 実際、マリーミーの会員になる方はどんな人がいるのでしょう。入会条件はどんなものがありますか?
植草さん:女性なら20歳くらいからいらっしゃいます。歯学部の学生で「この先5〜6年は忙しくなるだろうから、いまのうちに結婚しておきたい」とか、大学在学中の方が「就活が終わったので婚活します」と来たりする。大学のミスコンテストで入賞した方が、この肩書きを使っていい条件の方と結婚したいと来られたこともありました。年齢の上限はなく、上は70代後半の方もいらっしゃいます。ただ、ある60代の男性は年商10億円の社長さんで自分の子どもを残したいとか、70代の方は開業医でお金があり余っているから一緒に旅行に行ってくれる女性を探したいとおっしゃいます。そうなると本当に特別な方たちですよね。
── お相手に求める条件はどんなものが多いのでしょう。
植草さん:女性の出す条件は年収、学歴、職歴、この3つがほぼ8割を占めます。男性の場合は、まず年齢。子どもが欲しい方が多いので、そうなるとだいたいお相手は30代半ばまでがいいとおっしゃいます。男性でも女性の学歴を気にする人もいます。「自分が大学院を出てるから、せめて大卒じゃないと」と、言われたりする。あと「親が再婚の人はダメだと言っている」とか、男女ともに親御さんの希望も入ってきます。実際にお相手をご紹介しても、親御さんに邪魔されることもありますよ。