もんじゃ屋をめぐり、初めて母と揉めて

── 今までやりたいことをやらせてくれていたお母さんと、経営をめぐって揉めてしまったのですね。

 

おたけさん:僕もびっくりしました。今まで揉めたことなんてなかったので。ただ、母親としては「親がゆえに」ということだったようです。「なんでこの子にそんなこと言われなきゃいけないの?」という気持ちが、だいぶ強かったみたいで。

 

やっぱり、権力争いになっちゃうんですよ。トップって、2人はいらなくて。僕は任せてもらっていると思っているから、自分がトップだと思って意見を言うんですけど、親としては任せたつもりでも、結局は「自分の店だ」という気持ちが出ちゃう。退かないといけないのに、退けない。結局そうなっちゃうんですよね、親子商売って。みんなそうだって、同じ商売している人にも言われましたね。

 

── 親子だから、というのが大きいのでしょうか。

 

おたけさん:あると思います。跡継ぎ問題って、ややこしいじゃないですか。なんでそんなに身内で揉めるの?ということで揉めたりして。今まではそれを経験したことがなかったんで、びっくりしちゃったんですけど。

 

ジャングルポケット・おたけと母
現在のおたけさんとお母さん

── 今はうまくいっていますか?

 

おたけさん:帳尻合わせましたね。全部引きました、僕が。それしかなかったです。やっぱ引かないんですよ、親は。これはもう、どっちかが引くしかないので、こっちが引きました。今も細かいいざこざはもちろんありますけど、まあうまくやっていますね。

 

物事が小さいときは特にないですけど、話が大きくなって今までの枠を超えてきちゃうと、やっぱり揉めごとになりますね。想像を超えてきちゃったときに。

 

── そんな状況もあり、芸人活動ともんじゃ屋の両立はかなり大変なのでは? 

 

おたけさん:いや、一昨年は大変でしたね。休みもほぼなかったですし。でも大変とか言ってられないっていうか、そんなことを考える余裕もなかったです。「やるしかない」という感じ。

 

今は数字までは見てなくて、結局は店を盛り上げに行ってるだけです。メニュー開発などは関わっていたりしますが。でも、もんじゃ屋は好きなこととしてやっているんで、今は大変なことは全然ないですね。楽しくやらせてもらっていますよ。

 

PROFILE ジャングルポケット・おたけさん

1982年東京都生まれ。NSC東京校12期生。お笑いトリオ・ジャングルポケットとして、2007年にデビュー。コントコンテスト番組「キングオブコント」では、2015年から2017年まで3年連続で決勝進出、2016年大会では準優勝を果たした。2023年には、実家が営むもんじゃ焼き屋「竹の子」の経営にも参加。2025年3月15日(土)には、東京・草月ホールにて、ジャングルポケット単独ライブ『HYDROGEN』を開催予定。

 

取材・文/松崎愛香 写真提供/ジャングルポケット・おたけ