ジャングルポケットとしてお笑いを続けるかたわら、実家が営む月島のもんじゃ屋「竹の子」の経営にも携わるおたけさん。「結構マザコンだった」とみずから語る母との関係も、親子商売となると悩みが尽きない時期があったそうで── 。(全3回中の2回)
母が25年間営んできたもんじゃ屋を継ぐことに
── 現在は、実家が営むもんじゃ屋「竹の子」の経営にも携わっています。お母さんが昔から営んでいるお店だそうですが、お手伝いされようと思ったきっかけは?
おたけさん:店自体は25年やっているのですが、都市開発で移転することが決まり、仮店舗で営業することになって。店のリニューアルがきっかけになりました。年齢的に母親ひとりでしんどいだろうなというのもあり、僕もそのタイミングで関わろうかと。何か、そういう時期だったんですよね。
── どれくらいの頻度で店頭に立っているのですか?
おたけさん:今は週2日くらいです。一昨年は週5で立っていたこともありました。とはいえ、1日じゅういるわけではなく、ちょっと顔を出すだけの日もありましたけど。
── お店で働いているスタッフのなかには、芸人の卵もいるそうですね。
おたけさん:芸能界を目指している子が何人かいて、芸人になった子もいます。バイト募集は僕のSNSなどで告知していたので、少なくとも僕のことを知っていて応募してくれていて。俳優や格闘家を目指す子もいました。おもしろいことに、うちの店で働き出すと売れていく子が多いんですよ。
── スタッフとコミュニケーションを取るときに気をつけていることはありますか?
おたけさん:一緒ですよ。マジで僕、このままなんで。僕から芸能の話はしないんですけど、いろいろ聞かれるかなと思ったら、意外と誰も相談してこないっていう。普通に雇い主とアルバイトの関係性です。
── 店主であるお母さんはなかなか濃いキャラなのだとか。
おたけさん:そうですねぇ。母親は結構キツいところもあって「おめぇ売れねえよ」とかアルバイトの子に言ったりもしますけど、みんなうまくやってくれています。
子どものころからだいぶ甘やかされてきたけれど
── 小さいころはお母さんとはどんな関係でしたか?
おたけさん:結構マザコンだったんで、僕は。親もだいぶ僕のことをかわいがってたと思います。たとえば人気で手に入らないゲームとか、あったじゃないですか。買うのに大行列ができてます、みたいな。それが学校から帰ってくるとテーブルに置いてあって。並んで買っておいてくれるような親でした。だから、だいぶ母親には甘えてきましたね。
── 芸人になると伝えたときはどんな反応でしたか?
おたけさん:相談していなかったし、母親からもそれに関して意見とかはなかったですね。やりたいことを、やらせてもらっていました。
── 店を継ぐことを伝えたら、喜ばれたのでは。
おたけさん:最初はそうですね。今までみたいに自然体でやれるかなと思っていたんですが、リニューアルオープン後、意外とお客さんが増えて。僕が告知したというのもあるのかもしれないんですけど結構、忙しくなっちゃったんですよね。
そうすると、不思議なもので、母親と僕がギクシャクしだすというか…。結局、今までのリズムが崩れると波長が合わなくなってくるんでしょうね。ズレが生じるんですよ。そういうときって必ず、摩擦が起きるというか。それで、一昨年は母親とだいぶ揉めましたね。芸人としてどうしていくかより、その問題のほうがよっぽど悩みました。