「ちょっと助けて」と言えたらよかったと語る大和田美帆さん。娘が2歳のときに離婚し、現在小学3年生になった娘との関係を包み隠さず話してくれました。(全5回中の5回)
パパとママ、一人二役していて
── 2014年に結婚。2018年、娘さんが2歳のときに離婚を公表されてシングルマザーになりました。生活は大きく変わりましたか?
大和田さん:もともと家事も子育てもほとんど一人でやっていたので、生活自体は大きな変化はないですね。人に期待することがなくなったぶん、楽になった気がします。仕事が入ったときは母や母の友人にシッターをお願いすることもありましたが、基本的に母は自分のことは自分でやりなさいという人。離婚したからといって一緒に住む話にはならず、「子守りもときどきはするけど、私も私の時間を楽しみたい」と言われていたし、自分でもそれはそうだなと思ってました。
── もともと自立した家系というか、人に頼ることはありますか?
大和田さん:苦手ですね。私が離婚したときも、周りの友達が引くくらいすべてひとりでやっていて。母が亡くなったときもそう。またひとりでいろいろやろうとしているところを、みんなが止めてくれたんです。母は、よくも悪くも私を自立しすぎる女性に育てちゃったんだと思います。男性にも甘えられないし、離婚も彼だけのせいとは思わないです。「これお願いしていい?」「ちょっと助けて」って言えたらまた違った気もしますが、私が家事も子育てもひとりでやってしまうから、彼も入る余地がなかったのかもしれないです。
── 人に甘えたらラクといいますが、それが難しいという声も聞きますね。
大和田さん:だから私、よく検索しますもん。こんな歳になって携帯で「甘え方」って(笑)。でも、母の死のおかげでたくさんの人が声を掛けてくれたり、励ましてくれたりしたときに、「ありがとう」って言えばいいんだって思うこともできたんです。「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」。もともと、私は誰か困っている人がいたら何かやってあげたいタイプなんですけど、自分が困っているときも友達に甘えていいんだって。「ごめん、この日空いてる?」と聞いて友達に子どもを預けたり、父にもお願いするようになりました。ただ、そうは言っても、まだまだひとりで頑張りすぎる面もあるので、甘え方も徐々に、徐々にですね(笑)。
── 今、娘さんは小学3年生で9歳とのこと。子育てはいかがですか?
大和田さん:シングルマザーで不安なのは、すべてひとりで決断しなきゃいけないことですね。父や周りの友達にも相談はしていますが、最終的に決めるのは私なので、大丈夫かなと思うことは正直あります。あと最近は、娘の成長と共にどうしても叱らないといけない場面も増えてきて。「叱った」後に、「許すこと」もしなきゃいけないじゃないですか。そのタイミングも難しいし、うちは父が叱って母が慰める感じだったのですが、私が一人二役をやっているので。