芸能界は本来、厳しい場所かもしれないけれど
── その後の活躍は皆さんご存知の通りかと思いますが、改めて今年で芸能生活40年以上、ここまで長く活動が続いたのはなぜだと思いますか。
斉藤さん:もともと芸能界に強い興味があったわけではなかったし、芸能界でこうなりたいとか、トップを目指したいとかいった願望もなくて、特に気負いもなかったんですよね。芸能界でいじめられたこともないし(笑)、嫌な思いもほとんどせずに来て、なんであの人は私より売れてるのよとか、こんなはずじゃなかったと言った気持ちもなかった。肩肘張らず、いろいろなご縁で仕事が増えていったような気がします。
── または何か起きたとしても、流すことがお上手とかありますか?
斉藤さん:これでいて私は考えすぎてしまうところもあるんですけど、友だちに恵まれているんだと思います。芸能界でも仲良くさせてもらっている方がいますが、学生時代の友だちのようにはできにくい。みんな楽しくお仕事するし、今度みんなでご飯行きたいねって電話番号を交換するんですけど、そこで終わる人が多いです。今つき合いが続いているのは高校時代の友だちだったり、このお仕事を始めた当初からスタッフとして関わってくれている人が多くて、40年、45年のつき合いが続いている人もいますね。芸能界は本来厳しい場所かもしれませんが、いつもなんでも話せて信頼できる人たちに囲まれてきたことが、人生の彩を豊かにしてくれていると思っています。
PROFILE 斉藤慶子さん
さいとう・けいこ。1961年生まれ。宮崎県出身。82年大学在学中にJAL沖縄キャンペーンガールに選出されて芸能界へ。モデル、俳優、タレント、番組司会など幅広く活躍。現在は1児の母。
取材・文/松永怜 写真提供/斉藤慶子