お父さんを説教する動画が大人気でYouTube登録者数160万以上の「ちいりお」こと理央奈ちゃん(7)。生まれた瞬間から難病と闘い、5歳には側弯症を治す手術の影響で歩けなくなり、この夏には再手術が必要に。しかし、術後は順調でリハビリも再開したそうです。(全4回中の2回)

よくある病気のはずの側弯症「5歳で悪化し下半身に麻痺が」

玉井理央奈ちゃん
今年夏、テレビ出演後の理央奈ちゃん

── 理央奈ちゃんは、あごが小さいため呼吸がしづらい先天性疾患があり、2歳半のころには、背骨が曲がっていく「側弯症(そくわんしょう)」という新たな疾患がわかったそうですね。

 

佳寿美さん:はい。病気がわかったときはショックでした。ただ、お医者さんからは「女の子には多い病気だよ」と言われていたし、外見ではそれほど目立たなかったので、そこまで深刻には捉えていなかったんです。「年1回の健診で大丈夫です」と言われていたし、3歳半になってもあまり進行していなかったというのもあります。

 

ところが、4歳半のときに受けた定期健診で異常が見つかって。そもそも健診を受けるのが少し遅くなってしまい、診てもらったときには思った以上に進行していて、医師は「かなり難しい手術になるだろう」と。とにかくショックで、「私が仕事に追われていたからかも」と、自分を責めるような気持ちにもなりました。

 

側弯症の進行が早まった影響で「このままだと心臓や肺まで強く圧迫されてしまう」とのことで、背骨を金属で矯正して進行を止める手術をしたのですが、その手術の後遺症で胸から下に麻痺が残り、歩けなくなってしまって…。側弯症がわかってからもそうですし、理央奈が手術して入院しているあいだも、ものすごく落ち込みました。

今年8月の手術後は「普通の子みたいな経過に感動して」

玉田理央奈ちゃん
6歳のころの理央奈ちゃん。布団の中でおふざけ

── つらい状況が続くなか、佳寿美さんは本当に頑張っていらしたのですね。

 

佳寿美さん:落ち込みやすいタイプなので、しばらく引きずっていたのですが、夫と娘の明るい性格に救われました。理央奈が退院するころには、私もやっと「頑張っていこうかな」って笑えるようになって。その後は、リハビリも含めて「受けられる治療をすべて受けさせてあげたい」と必死で治療法を探しました。

 

── 退院後は、愛媛から片道2時間半かけて岡山や香川に通ってリハビリするなど、ご家族で頑張ってきたそうですね。今年夏には、5歳のときに受けた手術で背中に入れた金属が2本とも折れてしまったことで、その金属を入れ直す手術をされています。術後は予定よりも回復が早かったそうですね。

 

佳寿美さん:はい。それまでは、一度入院したら1か月以内で退院できるなんてことはなかったんですけど、この夏は3週間くらいで退院できて、本当にうれしかったです。理央奈は気道が細くて、術後も呼吸状態が悪くなりやすく、前回の手術では一度心肺停止しているんです。ただ、今回の手術では体が成長したからか、気道も広がっていて、術後は普通の子のような経過で退院できて、感激しました。

 

玉井理央奈ちゃん
今年8月、退院直後の理央奈ちゃん

── これまで、理央奈ちゃんの症状について医師からは「様子を見ましょう」と声をかけ続けられたそうですね。とはいえ、ご両親にとっては、先が見えず不安だったのではないでしょうか。

 

佳寿美さん:そうなんです。「理央奈ちゃんが成長するのを待ちましょう」とお医者さんから言われても、いつも「その日はいつ来るの?」って思っていました。低身長症のため背も伸びないと言われたし、「成長を感じられる日なんて来ないんじゃないか」って。でも、今年夏の手術では初めて成長というものを感じられたような気がします。