── 現在は「美容健康食プロデューサー」や、日本の食の豊かさを発酵を通して伝える「醸せ師」としても活動されていますね。
大河内さん:この30年間、人の健康のために食事や栄養について学び続け、1万軒以上のお店に赴いて、一流の職人さんの技術や味を学び、五感の鍛錬を行いました。今後は、これまでに得た学びを、たくさんの人に広げていきたいと思っています。今年、53歳になりますが、体調面も美容面も不調知らず。友人や知人からは「50代とは思えないくらい元気で生き生きしている」とよく驚かれますが、私が健康でいられるのは、「食」の力だと考えています。
「人生100年時代」と言われていますが、「健康で幸せに生きること」が大切です。寝たきりになりながらの長生きではなく、健康長寿がどれだけ長く続けられるかが重要だと思います。病気になる前に、予防医学と生活習慣、心のあり方で未病を食い止められることを、これまでの人生で身をもって体験してきました。
今、自身や家族の体調に不安を抱えている方や、闘病中の方、子育てに悩んでいるお母さん方から「食について学びたい」というメッセージを多くいただいています。今後は講座やイベントを通して、発酵料理や日本の伝統文化が持つ力を伝えていきたいです。
── 大河内さんの人生で得た知識と経験のすべてが、今の活動に集約しているのですね。
大河内さん:そうですね。私の人生でムダなことはひとつもありませんでした。特に、食についての学びは、技術の向上とともに「心への作用」にも気づかせてくれました。学びを深めるごとに、私自身の心の鍛錬にもなりましたし、食べる人にとっての心の潤いにもなると知ることができました。今後は誰かの心の潤いになるよう、私の知識と経験をおすそわけしていきたいと思っています。
PROFILE 大河内志保さん
おおこうち・しほ。モデル、タレント、料理家。1971年、東京都生まれ。1990年にJALのキャンペーンガールに選ばれてモデルデビュー。1992年にはクラリオンガールに選出され注目を集めるが、プロ野球選手の新庄剛志さんとの交際を機に芸能界を引退。2000年に結婚、2007年に離婚。以降は、芸能活動に復帰し、発酵食への学びを深め、料理家としても活動の幅を広げている。保有資格:調理師免許、日本伝統発酵料理伝承師。
取材・文/佐藤有香 写真提供/大河内志保