愛車・シーマは私にとって「動くアルバム」

伊藤かずえさんお手製のお弁当
高校生だった娘さんに作っていたお弁当

── 伊藤さんといえば、メンテナンスをしながら初代「シーマ」を乗り続けていらっしゃることでも有名です。

 

伊藤さん:乗り心地がよくて、大好きな車だし、とにかく「壊れなければ乗り続けよう」と思っていたら、今年で34年目になりました。ワンオーナーで乗っているのもそうですが、なにより車が問題なく、動き続けていることもすごいなと改めて思いますね。30年目のときに、日産がレストアで綺麗に直してくれたので、車の調子もバッチリです。

 

── 当時、愛車の1年点検の様子をSNSに投稿され、大きな反響を呼びました。ご自身としては、どう見ていましたか?

 

伊藤さん:びっくりでしたね。私としてはただ長く乗っているだけなのに「そんなに乗ってるなんてすごい!」と言っていただいて。日産に「こんなに大切に乗っているのだから、レストアを検討してあげてください」とものすごい数の意見があったらしくて。その声を受けて、日産がフルレストアに乗り出してくれました。SNSってすごいなと思いましたね。今の時代だから叶ったことだと、感謝しています。レストアされた愛車は、銀座にあるショールーム「NISSAN CROSSING」に2週間ほど飾っていただいたのですが、大盛況だったみたいです。新車のように綺麗になって戻ってきたときは、感動して思わず泣いちゃいました。

 

── 愛車への深い愛情を感じます。ただ、古い車を維持するのは、買うよりお金がかかりますよね。

 

伊藤さん:そうですね。ハイオクでリッター4キロしか走らないので、アメ車並みの燃費で。ただ、やっぱり愛着があるから手放せなくて。「出産後、生まれたての娘をこの車に乗せて帰ってきたなあ」とか、「娘が18歳で免許を取って、この車に初心者マークを貼って乗っていたなあ」など、振り返るといろんな思い出が詰まっているんですよね。私にとって、動くアルバムのような存在なんです。

 

── 人生を共にしてきた相棒なのですね。

 

伊藤さん:まさにその通りですね。何年も乗っているから、自分の一部みたいな感じで、「狭いけれど通れるな」「ここは曲がれるな」と見た瞬間に把握できます。長く乗り続けていると事故も少ないんじゃないかなと思いますね。

 

シーマのほかにも、日産のノートという車を所有しています。3年ほど前に買ったのですが、ボタンでエンジンやブレーキがかかるし、スマホを置いておくだけで充電できます。いろんな機能が備わっているんです。しかもすごくエコで、ガソリン代も全然かからないと、いいことずくめ。でも、やっぱりシーマのシートに座った瞬間、しっくりとくるものがあるんですよね。

 

── もともと「モノを長く大切に使う」という習慣をお持ちなのでしょうか。

 

伊藤さん:どうでしょう。ただ、慣れたものを変えるのが面倒くさいというのもあります。そういうところで労力を使いたくない(笑)。ただ、使えるものはギリギリまで使いたいと思うタイプですね。ちなみに今年、7年使ったiPhone8を買い換えたばかり。充電できなくなっちゃったのでさすがに買い換えましたが、使えるのならまだ使うつもりでした。なので、やっぱり物持ちはいいかもしれません。

 

PROFILE 伊藤かずえさん

いとう・かずえ。1966年、神奈川県生まれ。1978年デビュー。85年に大映ドラマ『ポニーテールはふり向かない』(TBS系)で初主演。そのほか『不良少女とよばれて』『スクール☆ウォーズ』など、数々の大映ドラマに出演。その後も『ナースのお仕事』をはじめ数々の人気作品に出演。2022年には自身のYouTubeチャンネル『やっちゃえ伊藤かずえ』を開設。

 

取材・文/西尾英子 画像提供/伊藤かずえ