登録数52万人の人気YouTuberで、一級建築士の資格も持ついけちゃん。建築事務所に勤務しながら、グラビアの仕事も精力的にこなしています。今年27歳、いろいろ思うところがあるようで…。(全3回中の3回)
まさか自分が有名雑誌の表紙を飾れるとは
── 最近は、男性誌のグラビアや表紙などでいけちゃんさんの姿をよく見かけます。建築の仕事とYouTuberを両立しつつ、撮影にも参加するのは大変ではないですか?
いけちゃん:グラビアは、ありがたいことに週刊誌以外にもデジタル写真集として出してもらって。たくさん撮影しているように見えるかもしれませんが、実際は数か月に1回ほど。朝から晩まで撮影して終わりです。だから、それほど大変ではないです。
── どのようなきっかけでグラビアを?
いけちゃん:YouTubeではよく、ひとりで旅行をしたりご飯を食べたりする「ぼっち動画」をアップしていたんです。その流れで、ひとりで温泉に行く動画をアップしたら、それが雑誌編集部の方の目に留まったみたいで、「グラビアをやってみませんか」というメールをいただきました。
── いきなりグラビア撮影の依頼が来て、驚きませんでしたか。
いけちゃん:不安はちょっとありましたね。でも、「雑誌に載れるんだ!」って嬉しく思う気持ちのほうが大きかったかな。実は、大学1年生のころ、サロンモデルをやっていたんです。もともと、写真が趣味のカメラマンに撮ってもらうアマチュアモデルをバイトでやっていて、その方に紹介されて。でも結局、アマチュアのカメラマンにいくら写真を撮ってもらっても、雑誌に載っているモデルみたいな活動はできない。そういう現実の厳しさをずっと感じてきました。
── そうだったのですね。肌の露出が多いグラビア撮影を行うことに戸惑いはなかったですか?
いけちゃん:モデル経験があったので、写真を撮られること自体には抵抗はなかったです。それよりとにかく、YouTuberになったら、こんな有名な雑誌に載ることができるのかっていう驚きのほうが大きくて。アマチュアモデルのときに実現できなかった夢を叶えたいと思って、グラビア撮影を受け入れた感じです。最初は1回きりだろうなって思っていたんですが、写真集が売れたらしく(笑)、それからもたびたび声がかかるようになりました。不思議な感覚だったけど、嬉しい気持ちもありましたね。
── グラビア活動を始めて、変わったことはありますか?
いけちゃん:この前、オフ会イベントを開催したのですが、女性のファンの方が来てくれたんです。しかも「私も一級建築士なんです」っておっしゃっていて。建築士ということから私のことを知ってくれたのかと思いきや、グラビアがきっかけらしいのですが。自分の活動を知ってファンになってくれる女性が増えて嬉しいです。
── グラビア活動はずっと続けていきたいですか?
いけちゃん:グラビアはやっぱりかわいさや若さが重視される世界ですし、ずっと続けられるとは思えないので。今のところ、30歳が区切りかなと思っています。
いつか自分で建築物をプロデュースしたい
── 今後はどのような活動をメインにやっていきたいと思っていますか?
いけちゃん:自分が設計した建物がまだひとつもないので、それを実現させたいです。小さな店舗でもいいし、個人宅でもいいのですが。まずは誰でも出入りできる場所を作りたいという気持ちがあるので、店舗の設計が一番やりたいかな。いつかは自分でプロデュースした作品も作れたらいいなと思っています。
── もともと、建築に興味があったのですか?
いけちゃん:建築以前に、海外旅行が好きだったんです。建築学科に進学したいと思ったきっかけは、シンガポールで見た建築でした。シンガポールには美しい建築物がいくつもあるのですが、なかでも『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ(流線型のバイオドーム)』や、『マリーナベイ・サンズ(カジノやホテルなどを擁する総合型リゾート)』といった新しい建築に感動して、私も造ってみたいなって。スペインのバルセロナにある建築家のアントニ・ガウディによる設計の『カサ・ミラ』(ユネスコの世界遺産に登録されている建造物)や、『サクラダ・ファミリア』(140年以上も建設が続いている聖堂)は、学生のころからずっと見てみたいと思っていたので、実物を見たときは本当に感激しました。
── 建築の勉強を始めてから、興味を持った建築物はありますか。
いけちゃん:最近、特によかったと思ったのは、アラブ首長国連邦にある『ルーヴル・アブダビ』(『ルーブル美術館』の別館)。ジャン・ヌーヴェルという建築家が設計しているのですが素晴らしかった。そのときの画像は、インスタグラムのサブアカウントのアイコンにしています。個人的には海外の建築のほうが幻想的でおもしろいと思うのですが、とてもひとりでは真似できないというか…。でも海外の建築を目指して、DIYで古民家改修を始めています。