双子の俳優として知名度を上げた斉藤祥太さんと慶太さんは、現在、子育て中の父親でもあります。「娘はとにかくかわいい」と顔をほころばせるイクメンぶりとは──。(全3回中の2回)

真っ先に聞いた「子どもは双子?」

── 現在おふたりは父親になられたそうですね。慶太さんが3歳と1歳、祥太さんが1歳の娘さんがいらっしゃると伺っています。

 

斉藤慶太さん:妻の妊娠が発覚したとき、最初に聞いたのが「双子かどうか」でした。

 

祥太さん:それ、僕もです。

 

慶太さん:2人とも違いましたけど、双子だけは…と思っていました。

 

斉藤祥太さん、斉藤慶太さんと娘
1歳の娘を肩車して満面の笑顔の斉藤祥太さん、慶太さん

── そう思うのはなぜですか。

 

祥太さん:この年になってみると自分の親が苦労しただろうなということもわかりますし、先に父親になった慶太の姿を見ていて、「双子だったらもっと大変だろうな」と思っていました。

 

慶太さん:双子しかわからないことってあると思うんです。小さいころから比べられることも多いですし。もちろん、いいことも倍になるんですけど。双子ではなくても、きょうだいがいるのはいいなと思います。

子どもが体調不良のときは坐薬を

── 俳優業のかたわら、祥太さんは電気関係、慶太さんは内装の職人として仕事されているそうですね。お仕事の間は、娘さんは誰がみているんですか。

 

慶太さん:うちは基本、妻が日中はワンオペで見てくれているので、仕事はなるべく早めに切りあげて、お風呂や寝かしつけに間に合うようにと思ってます。食事も、下の子はまだ離乳食なので、妻が栄養を考えて、細かく刻んで何品も作っています。本当にママは大変だと思うので、なるべく早く帰ろうとしていますね。

 

祥太さん:うちは共働きなので、娘は保育園に預けているんですけど。熱を出したときは困りますね。どっちが休むとか、どっちがお迎えに行くかを妻と調整して。そのときどきによって、僕が仕事を休んだり、妻が在宅勤務にしたりしています。

 

斉藤祥太さんと娘
娘と水遊びをする斉藤祥太さん

子どもの体調っていつ悪くなるか事前にわかることではないので。子どもが生まれてから仕事を急に休むことが増えました。でも今はパパも育休を取れる時代ですし、会社の人からも「しょうがないよね」と思ってもらえているのはありがたいですね。子どもはまだ1歳ですけど、今後もこういうことが増えていくんだろうなと思うと、不安でもあります。そうはいっても、周りに「ごめんなさい」と言って子ども優先で過ごすしかないですよね。

 

慶太さん:それだけはしかたないよね。そうやっていろんな病気にかかって免疫ができて強くなっていくから、風邪をひくのも悪いことじゃないと切り替えて思うようにしています。

 

── 娘さんの体調不良から、ご自身もダウンすることはないですか。

 

慶太さん:あんまりないんですが、以前、急性胃腸炎のすごいのをもらって、きつかったです。

 

祥太さん:僕はもう何回も娘がかかった風邪をもらってます。1年前は想像もしてなかったんですが、子どもの具合が悪いときに坐薬を入れるのとか、意外とやってみるとなんでもできるもんだなって思いました。

 

幼少期の斉藤祥太さん、斉藤慶太さん
「やっぱり似てます!」幼少期の斉藤祥太さんと慶太さん

── 坐薬や爪切りなどに苦手意識がある方も多いと聞きます。

 

祥太さん:子どもを目の前にしたら、純粋にやってあげたいという気持ちが生まれますね。爪が伸びていたら、自分のことを引っ掻いてしまって可哀想だなとか、髪の毛が目に入りそうになっていたら切ってあげようかなって。育児をしようというより、一緒に生活をしているうえで、してあげたいことがあるからするという感じです。オムツも、皮膚が荒れないようにすぐ変えてあげようとか、ワセリン塗ってあげようとか。

 

慶太さん:すごい、うちはオムツのおしっこサインが1回青くなっても、もうちょっと待ちます。1人目のときはそれこそすぐに変えていたんですけど、今は「まだいける」ってちょっと粘ります。

 

── 娘さんが芸能の仕事をしたいといい出したらどうしますか。

 

祥太さん:僕は絶対やってほしくないですね。おすすめはしないです。何かほかのやりたいことを勧めてあげられるようにしたいなと思います。子どもの教育ってそれができるように思うんです。いちおう芸能の仕事をしていた身としては大変さがわかるので、ほかの世界もあるよって。理想ですが、スポーツ選手などもいいですね。

 

慶太さん:自然や動物と仕事をする人になってほしいな。港区女子とかに…。いや、ならないと思いますけど。僕は、娘から芸能の仕事をしたいと本当にいつか言われるんじゃないかって思ってるんです。アイドルを見て一度はやってみたいなとか。でも、ダメとは言いたくないですね。

 

そのときが来たら、「パパもそう言う世界にいた」という話をちゃんとしようと思います。「若いときはいっぱい出てたけど、今はそんなに出てないよ」とか、厳しいところも楽しいところもありのままを伝えて、娘自身に選択してもらえたらと思います。娘の人生なので、好きな道で生きてほしいと思っていて。子どもたちの未来は、今後の自分の人生の一番の楽しみと言ってもいいくらいです。そのために自分も仕事を頑張れています。

 

PROFILE 斉藤祥太さん・慶太さん

さいとうしょうた・けいた。1985年生まれ、神奈川県出身。山形県金山町観光大使。44プロダクション所属。ドラマ『キッズ・ウォー』、『ホットマン』などヒット作への出演のほか、『王様のブランチ』レギュラー、映画『タッチ』では双子の兄弟として主演を果たす。現在は俳優業と並行して職人としても働く。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/斉藤祥太・慶太