ママ友と深夜のファミレスで…
── そうした経緯があったのですね。もともとお子さんを望む気持ちが強かったのですか?
高橋さん:実をいうと、昔は子どもが得意じゃなかったんです。新幹線の中で子どもが泣いているのを見ると、「仕方ないけれどうるさいなあ…。せめてお母さんがもうちょっと頑張ってくれないと」と思っていたけれど、自分が子どもを産んだ瞬間、すべての子どもがかわいくなって、泣いている子どもを見たら心配で仕方ない。180度変わった自分に驚きました。逆にいえば、子どもが苦手な過去があったからこそ、子どもの泣き声が気になる人の気持ちもわかるので、電車のなかで自分の子が泣くと、“なんとか泣き止ませなくては”と焦りますし、努力もします。
子どもって、言っても聞かなかったり、機嫌が悪かったりと、親がいくら頑張ったって、どうしようもないことの連続。でも、これまで社会人として、赤の他人の機嫌の悪さに散々つき合ってきたことに比べたら、愛しい子どもの機嫌の悪さなんて可愛いもんです(笑)。いろんな人生経験や社会の理不尽さを味わってきた40代の今だからこそ、ある程度ドンとかまえて、子どもと向き合えている部分もあるのかなと。これまで経験したことすべてが子育てに生きているなと感じています。
── ママ友つき合いでは、どんな交流をされているのでしょう?
高橋さん:ありがたいことに、上の子の保育園時代のママ友が、すごく気の合う人ばかりで、しょっちゅう連絡を取り合っています。大人になってから、親友ってできるんだなと思うくらい、本音で話しができる仲間ばかり。誰かが悩んでいるときに、深夜のファミレスにすっぴんで集合して相談に乗ったり。別にセレブな保育園でもなんでもなく、家から一番近いからという理由だけで選んだ普通の認証保育園です。子育てで悩んだり、夫と喧嘩したときに相談できる場所があるのはすごく助かりますね。
── ちなみに、芸能界で仲のいいママ友はいらっしゃいますか?
高橋さん:もともとあまり芸能人の方とおつき合いがないんですよ。局アナ時代は会社員の立場だったので、芸能人の方とは一線を引いていて、その感覚が今でも抜けず、気をつかってしまうんです。唯一、芸能人のママ友で仲がいいのが、橋本マナミちゃんと山岸舞彩ちゃん。ただ、2人とも芸能界で知り合ったわけではなくて、友達の後輩がたまたまマナミちゃんの旦那さんだったり、夫の先輩の奥さんが舞彩ちゃんだったりと、プライベートな交友関係のママ友なので、フラットな友達という感じですね。
PROFILE 高橋真麻さん
1981年、東京都出身。2004年、フジテレビにアナウンサーとして入社。13年、フジテレビを退社し、フリーアナウンサーに転身。以降、バラエティ番組や報道番組などで活躍中。18年に結婚し、20年に、第1子女児を出産。22年に、第2子男児を出産。
取材・文/西尾英子 写真提供/高橋真麻