「突然、わけのわからないことを言う」「おむつを替えるのは力仕事」。高橋里華さんは、2020年にYouTubeで義父の介護の様子を発信し、著書も出版します。孤独な介護生活を送る人たちへ、「悩んでいるのは、自分だけじゃない」「わかるよ」と発信を続けます。(全4回中の4回)

「おむつ替えって大変」介護のありのままを動画で発信

── 2020年にYouTubeチャンネル「高橋里華の介護らいふ」を開始されました。義理のお父さんの介護の様子を発信しようと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

 

高橋さん:介護ってすごく孤独で、「こんなにつらい思いをしているのは、私だけかも」と、思えてくるんです。でも、2016年ころからテレビ番組で何度かわが家の介護の様子を取りあげていただき、視聴者の方から「同じ悩みを抱えています」といった感想をたくさんいただきました。

 

知人やママ友からも介護の悩みを相談されるようになり、「悩んでいるのは、私だけじゃないんだ」と、気持ちが救われたんです。

 

コロナ禍で夫の在宅勤務が増えたとき、「わが家の介護の日常を発信することで、孤独を抱えて介護を頑張っている人の役に立てるかもしれない」と思い、「介護の様子を、動画で発信できないかな」と夫に相談しました。そうして、映像関係の仕事をしている夫のサポートのもと、YouTubeでの発信を始めたんです。

 

── 発信するうえで大切にしていることはありますか?

 

高橋さん:介護のありのままを発信するよう心がけています。スムーズに介護できている部分だけ発信しても、介護の現実は伝わらないと思うんです。だから、認知症で夜に叫んでしまうとか、よくわからないことを話すとか、介護の難しい部分もそのまま発信しています。

 

ご両親たちと回転寿司へ

たとえば、おむつ替えの場面は、視聴者にとって見たい場面ではないかもしれません。でも、おむつ替えって力仕事だし、想像以上に回数も多くてすごく大変。

 

「おむつ替えって大変だよね、わかる!」と共感してもらうことや、介護の現実を知ってもらうことが大切なので、画像処理しつつも、カットせずに発信しています。