元タレントの高橋里華さんは長女を出産後、義父母との同居、そして介護が始まりました。想像と違った同居生活に家出までした高橋さんが、義父母の介護をまっとうできた理由とは。(全4回中の3回)

義実家で同居するも「悪口が書かれたメモ」を見て家出を決意

義父の散髪をする夫

── 2010年にお子さんを出産し、翌年には義理のご両親との同居が始まったそうですね。同居のきっかけは何だったのでしょう?

 

高橋さん:長女が生まれた翌年に東日本大震災が起きて、夫は「両親含め、家族で一緒に暮らしたい」と考え始めたようです。ある夜、長女の寝かしつけをしていると突然「両親と同居したいと思ってるんだけど、どうかな?」って聞かれて。「寝かしつけ中にする話?」と思いました(笑)。

 

でも、寝かしつけが終わるころには、「同居するなら早いほうがいいし、そうしようか」と返事していました。結婚前から、義父母の通院や食事管理のサポートをしていて関係も良好だったし、「うまくいかなければ、同居を解消すればいいか」と考えていました。

 

── 同居生活はいかがでしたか?

 

高橋さん:「思ってたのと違う!」ということが、すぐに出てきました(笑)。「食後のお茶が飲みたい」など、ささいなことまで当たり前のように頼まれるようになり、「洗濯物の干し方が違う」など、家事や子育てのやり方の違いを指摘されるのが、何よりつらかったですね。

 

それでも「同居を承諾したのは私だし、頑張れるとこまでやってみよう」と踏ん張っていたのですが、同居して1年ほど経ったある日、ダイニングテーブルに義父のメモ書きが置かれていたんです。チラッと見えてしまったところに、「年寄りをほったらかして出かけてばかり」「夫が仕事へいくのに見送りもしない」など、私の悪口が書かれていました。

 

結婚式の様子

── えっ?それはつらすぎます。

 

高橋さん:娘が2歳くらい、ちょろちょろ動き回る年ごろで。当時、夫の見送りは「行ってらっしゃい」と声だけをかける日もありました。家事をすべてすませてから、娘を公園に連れていくこともありました。

 

毎日必死に頑張っていたけれど、義父のメモ書きを見た途端、気持ちがすっかり折れてしまって。「このままじゃダメだ」と思い、長女と愛犬を連れて妹宅に家出することを決意しました。