口に出して助けを求めるというスキルも大事
── 2022年に第1子、2023年に第2子をご出産され、育児で生活に変化はありましたか?
衛藤さん:ありました。子どもが2人に増えて実感するのは、人ってひとりでは何もできないということ。シッターさん、両親、ママ友の協力があって何とかなっています。これまでは自分でできると過信していた部分がありました。周りに助けてほしいときは、口に出して助けを求めて力を貸してもらう、甘えさせてもらう、そういうスキルも大事なんですよね。
2人目を産んでからは産後うつのような症状もあり、自分だけで解決するには限界がありました。それで自分も変わらないといけないなと。ママ友に息子を預かってもらったり母に来てもらったりして力を借りるぶん、ときには自分も誰かの力になれるように助け合うことを学びましたね。
── 源田選手はお仕事柄、家を空けられることも多いと思います。ワンオペを乗りきるには、たしかに周りの方やママ友の協力など助け合いは大事ですね。
衛藤さん:ほんとに周りに恵まれているなと感謝しています。もちろん、夫は離れていても、できることは積極的に担当してくれます。「物理的にできないことは難しいけど、離れていてもできることはする」という考えなんです。
よく「パパが手伝ってくれるなんてすごい」という会話になったりしますが、ふたりの子どもなので、ふたりで分担して当然。今しかできない子育てを共有することは大事だなって思います。仕事が忙しくてもこうして同じ温度感で子育てに向き合ってくれる夫には、いつも感謝しています。
ワンオペで大変なときもありますが、「子育てはあっという間だよ」と、ママの先輩方が言うじゃないですか。多分、本当に苦しいときって一番輝いてるときなんですよ。しんどいときに、ふと俯瞰で自分を見て「10年後に振り返ったらキラキラしてたと思えるに違いない」って。そう考えたら「頑張ろう」って活力が湧いてきます。
── 乃木坂46時代を振り返って、「当時は苦しかったけど一番輝いていたと思える」と以前おっしゃっていましたね。子育てもそのご経験と重なりそうですね。衛藤さんは普段どのように気分転換をしていますか?
衛藤さん:実際、子育てしているとできることが限られてきますよね。睡眠がとれないのは仕方ないし、そう考えると食欲を満たすことですかね。食べたいものを食べます。自分で米粉とココアでブラウニーを作って食べたり。そうすると気分転換になります。あとはスキンケアなどの美容ですね。最近はインナービューティーに興味があるので、酵素やワイルドハニーをとって健康的な美容を意識する生活もしていますが、それが息抜きになっています。自分のご機嫌を取れるものをいくつか知っておくというのは大事ですね。
PROFILE 衛藤美彩さん
えとう・みさ。1993年生まれ。大分県出身。乃木坂46の一期生として活躍。2019年には卒業でのグループ初となるソロコンサートを開催し注目を集めた。同年に埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手と結婚。2022年に第1子、2023年に第2子を出産。現在子育てに奮闘する2児のママとしてSNSやYoutubeチャンネルで日々の様子を発信中。
取材・文/加藤文惠 画像提供/衛藤美彩