大学での学びを生かし、俳優「鈴木福」をつくり上げたい

── 今は大学でどういうことを学んでいますか?

 

鈴木さん:いろいろ学んでいる最中で、「これをやってます」と言えるようになるのはまだ先なんですけど。ただ「俳優をやりながら大学生をやる」程度なら簡単なこと。ただただ卒業のために、誰にでも書けるような論文を書くのではなく、何か自分にしかできないことをしたいです。そう思いながら、日々勉強しているところです。

鈴木福さん
『笑う門には福来る 20年間の笑顔と感謝』より

── 俳優という仕事に、いま学んでいることをどう生かしていきたいですか。

 

鈴木さん:大学生としての学問や研究をしたうえでの「鈴木福」をつくり上げられたらな、というのはすごく思います。世の中には、まだ自分の知らない世界があふれています。大学には「この人、何者なんだ!?」っていう人がいっぱいいて、とても刺激になっています。学問の分野からお芝居につなげられることも意外にあったりして。

 

── 今は『ZIP!』のコメンテーターなどもなさっていて、仕事の幅もさらに広げていらっしゃいますよね。

 

鈴木さん:僕じゃなくて専門的な人がしゃべったほうがいいんだろうな、と思うこともあります。でも、現場で「ありがとう」と言われることが、仕事を頑張る力になる。だから僕もそれに応えるように、いろいろと吸収していきたいです。そのために日々の勉強やリサーチは、欠かさないようにしています。

 

── これからどんなふうに活躍していきたいですか?

 

鈴木さん:最近では、SNS上にも動画があふれていて、作品を倍速で観る人も増えていると聞きます。だからこそ僕は、倍速ではもったいないと思えるくらいの作品を増やしたいです。つい映画館に足を運びたくなるような、そんな作品に携わっていけたらと思います。

 

日本に影響を及ぼすエンターテイメントに携わっていけたらうれしいな、と思うようになったのも、大学に進学して、いろいろな人に出会えたから。今は大学で、そのためにどんなことをできるかを学んでいる最中です。自分の俳優業を僕の視点で開いていくっていうのも、きっと僕ができることとしておもしろいことだと思っているので、それができたらと思っています。

 

PROFILE 鈴木 福さん

俳優。2004年東京都生まれ。1歳より芸能活動を開始。2011年に7歳でドラマ『マルモのおきて』に出演し、注目を集める。同ドラマ主題歌として、「薫と友樹、たまにムック。」名義でシングル「マル・マル・モリ・モリ!」が大ヒットし、『第62回NHK紅白歌合戦』に史上最年少で出場。現在は大学に通いながら、『ZIP!』の新木曜パーソナリティーに最年少で抜擢されるなど、さらに活躍の場を広げている。今年6月には、初のフォトエッセイ『笑う門には福来る 20年間の笑顔と感謝』(主婦と生活社)を上梓。

 

取材・文/松崎愛香 写真提供/テアトルエンターテインメント、大靏 円(昭和基地¥50)