働き方改革を狙ったワケじゃないけれど
── グループが売れた後にメンバーが育休に入るのではなく、「ぼる塾」の名前が世間に知られた時点でメンバーのひとりが育休中ということも、話題になりました。
あんりさん:働き方改革とか、そんなことをやった覚えはないんですよ。たまたまひとりが妊娠中に「ぼる塾」を結成しましたが、それぞれのライフスタイルのなかで、各自が働きやすい形で『ぼる塾』を続けてもいいんじゃないかと。好意的に捉えてくださる方も多かったですね。
ぼる塾は当時一気に露出が増えましたが、酒寄さんの人生にとって何より大切なのは自分のお子さん。産んだわけですから、子どもの人生の責任を取る義務がある。子どもが寂しがるようなことはさせないで欲しい。
一方で、やりたいことがあるのに、自分の気持ちを抑えてお母さんだけやれっていうのも違うじゃないですか。子どももきっとそれは望まないだろうし。一番いいのは、自分がやりたいことをやって、自分のそばに子どもがいることが理想だと思うので、それをぜひ叶えて欲しいなって思いますね。
── 酒寄さん復帰後も3人で表舞台に立たれている場面を見ますが、メンバー内でバランスをとりながら進めているのでしょうか?
あんり:テレビや舞台に立つのは3人が多いですけど、表に見える部分だけが仕事じゃないというか。逆に、私たちが表に立っちゃってるので、ネタを書こうと思ったら大変なんですよ。酒寄さんが表に立たない時にネタを書いてくれるから、こんな効率のいいことないなと思うし、頭が上がらないです。そもそも酒寄さん、すごく働くんですよね。記事の連載もして、本も書かれて、私たちのネタまで書いて、YouTubeの編集もしてくれるから、私たちより働いてるんじゃないかっていう(笑)。
── 今後やっていきたいことはありますか?
あんりさん:4人のネタを完成させたいですね。「4人のぼる塾といえばこれだね」という代表作がひとつあればいいなと思います。まだ4人で舞台に立って長くないのでやり方も定っていませんが、それさえも私は始まってるんだって感じるんです。スベったときは、お客さんにお金払ってもらって申し訳ないですが(笑)、ここからは成長しかないと思うと楽しみですね。
また、1人の仕事も増えてきましたが、それぞれが別の場所で頑張って、みんなが集まったときに最強集団になれたらなって思います。仕事だけではなくて、自分の人生に満足を感じながらこれからも4人で集まっていたいですし、歳を重ねて万が一誰かが違う道に進んだとしても、4人が集まったら「ぼる塾」だよね、となれたら嬉しいなと思います。
PROFILE あんりさん
1994年生まれ。東京都出身。お笑い芸人。あんリ、きりやはるか、田辺智加、酒寄希望と共にお笑いカルテット・ぼる塾を結成。
取材・文/松永怜 写真提供/あんり