なぜか勉強しなくても得意だった教科
── 学校の勉強についてもお聞かせください。得意な科目、苦手な科目がハッキリしていたそうですね。
あんりさん:体育は小学生の頃から苦手でした。マット運動をしても、みんなは前転してパッと綺麗に着地しますが、私はドタッと横に転がるんです。ボールを投げたら天井と器具の間にボールが挟まって周りがざわつき、鉄棒も怖くてできなかった。あるとき先生が、「前回りくらい全員やらせたい」と言って、私に時間を作ってくれたこともありましたが、怖くてやっぱりできないんです。鉄棒を掴んだまま「ムリ、ムリ…!」ってジタバタしていたら、みんながその姿を見て、「なんでできないんだよ」って、いじめる感じじゃなくて、普通におもしろいから笑うみたいな。体育の時間は私が何かやったら笑いが起きたけど、それは不本意な笑いだったので全然、嬉しくなかったです。
── では、運動会もあまり楽しみではなかったのでしょうか?
あんりさん:全然、楽しみじゃなかったです。小学校の頃は、足の速い人だけリレーの選手に選ばれるので、私は応援だけしていればよかったんです。でも、中学に上がると学級対抗リレーで全員参加と聞いてゾッとしましたね。嫌な予感しかしない。案の定、運動会ではみんなが頑張って、いい順位でタスキを渡され、私が走った瞬間抜かされるという…。兄はすでに卒業していましたが、兄のヤンチャな後輩たちが私と中学時代が被っていたので、私が走っている姿を見て「頑張れー!あんりー!!」って誰よりも大きな声援を送ってくれて、周りから変な注目を浴びてしまうとか。思春期だったので、それもめちゃめちゃ嫌でした(笑)。
──では得意な教科はありましたか?
あんりさん:国語だけは得意でした!漢字は間違えるんですけど、読解力っていうんですか?教科書を読んで主人公はこう思った、相手はこうだったって想像するとか、話の意図を掴むのはなぜか得意だったんです。国語に関しては、小学生くらいまではあんまり勉強しなくてもだいたいわかるから、ラッキー!と思ってました。
── 読書も好きだったそうですね。
あんりさん:ミステリー小説やジブリが好きだし、青い鳥文庫シリーズもよく読んでいました。漫画も好きで、小学生の頃は毎月『ちゃお』を買っていたと思います。そこから『リボン』、『別冊フレンド』など、毎月何かしら買うくらい少女漫画はよく読みましたね。
── 国語や読書は今のお仕事にもいい影響を与えていそうですか?
あんりさん:ネタを書くときに助かっているような気がします。また、大家族で育ったことも、子どもの頃からいろいろな世代と触れていたし、いつも家の中が賑やかで会話量が多かったので、話をするのも聞く機会も多かったのはよかったのかなと思います。
PROFILE あんりさん
1994年生まれ。東京都出身。お笑い芸人。あんリ、きりやはるか、田辺智加、酒寄希望と共にお笑いカルテット・ぼる塾を結成。
取材・文/松永怜 写真提供/あんり