大家族で育ったぼる塾・あんりさん。父が元暴走族、母が元レディース、兄はヤンチャと地元では有名な家でしたが、なかでも母の個性は強かったと言います。(全5回中の3回)

個性豊かな大家族で育ち

ぼる塾・あんり
「いただきます!」

── あんりさんは大家族で育ったそうですが、子どものころは何人くらいで生活されていましたか?

 

あんりさん:祖父母と両親、兄弟が私を入れて5人の計9人ですね。兄の結婚が早かったので、兄の家族(妻と子ども2人)と一緒に住んでいた時期も含めると12人のときもありましたよ。もともと人が多い家だったので、増えるぶんにはなんとも思わなかったし、逆にこの環境によく来てくれたなと思うくらいでしたね。

 

私は妹と9歳も離れていたし、甥っ子や姪っ子も小さかったので、家ではよく子守りもしていました。

 

── 大家族で、一人ひとりの個性も強かったそうですね。

 

あんりさん:父が元暴走族、母が元レディース、兄2人がヤンチャだったので、地元ではちょっと有名な家でした。でも、兄弟では私を境に、弟と妹もそちらの道に進むことはなかったかな。当時、テレビで『ROOKIES』や『ごくせん』を放送していて、ヤンキーカッコいい!って思ったりもしましたが、ヤンキーってどこか世間に不満がないと厳しいじゃないですか。でも、両親は優しいし、勉強ができなくても変に怒る先生もいなかったし、中学の頃は友達にも恵まれすぎていた感じもあったので、ヤンキーになるきっかけがなかったというか。

 

── ちなみにお母さんは元レディースとのことですが、あんりさんから見てどんなお母さんだと思いますか?

 

あんりさん:母は父より強いですね。父も迫力はありましたが、母にはあまり強く言わなかった(笑)。あと、母はしゃべりも上手くて、私より母が吉本に入った方が売れてたんじゃんないかなって思うくらい、よくしゃべるしおもしろい。たまに勝手なことも言うんですけど、「まぁまぁ、あの人だから…」って周りから受け入れられている雰囲気もあって、思い通りに生きてる人ですね。

 

子どもたちに対しても子ども扱いしなかったし、子どもの頃から自分のことは自分でやってという考えでしたね。

 

── たとえばどんなことでしょう?

 

あんりさん:よく覚えているのは、母と子どもたちでショッピングモールに行ったとき。子どもだから、あちこち気が向いて、はぐれちゃったりするじゃないですか。その場合、他のご家庭のお母さんだったら子どもたちに「ちゃんとついてくるように」って声をかけるんでしょうけど、うちは違いました。

 

「今日はお母さんが買い物するから、あんたたちのことは見ていない。あんたたちはついて来ているだけだから、はぐれたとしても探さない」って宣言されていたんです。しかも、冗談だとは思うけど「兄妹5人もいれば1人いなくなっても大丈夫だから」と言われていたので、毎回必死についていきました(笑)。