移住して半年後には「マミラー」と応援する人々が現れて
── インスタグラムを拝見すると、いろんなイベントを開催したり、地元の方と積極的に交流するなど、アクティブに浜松暮らしを満喫されています。熊谷真実さんを応援する「マミラー」なる人たちもいらっしゃるとか。
熊谷さん:そうなんですよ。安室奈美恵ちゃんのファンの“アムラー”になぞらって、“マミラー”という私を応援してくださる方たちが出てくるという、嘘みたいな現象が起きています(笑)。皆さんと交流するのがすごく楽しいし、なかには本当のお友達になる方もいて、毎日充実していますね。
この間、手作りカレーを皆さんに食べてもらうカレーイベントをやったのですが、すごくたくさんの方が来てくださいました。遊びに来たお友達にカレーを振る舞ったら、「美味しい!これ、売れるんじゃない?」と誉めてくれたのがきっかけでした。嬉しくなって、「それならもっとたくさんの人に食べてもらいたい!」と思ったんです。イベントでは、50食限定だったところ、最終的に62食も出て、ビックリしましたね。
── さすがの行動力ですね!
熊谷さん:「やってみたい!」と思ったら、行動に移さずにはいられない性分なんです。自分のなかで、いつもゴール設定だけは最初に決めてしまいます。今回のカレーイベントでは、みんなが笑顔で「美味しい!」と喜んで食べてくれるというイメージを思い描いていました。そのイメージを設定したら、あとはみんなに発信。すると、不思議といつも助っ人となってくれる方がどんどん集まって、ゴールへと導いてくれるんですよね。
今回、素人が食べ物を扱うイベントを行うのは、食品衛生上の問題もあるから、無理かもしれないと思っていました。でも、浜松にある行きつけのスパイス料理店の友人に、「カレーのイベントをやりたいと思っているんだよね」と相談したら、「それなら、うちの店を使ったらいいよ!」と言ってくれたんです。さらに、大量に作るときのコツなどプロのノウハウを伝授してくれて、すごく助かりました。
── 移住してわずか数年で、サポーターがどんどん現れ、増えていく。そんな人間関係を築くことができているのは、熊谷さんのお人柄でしょうね。
熊谷さん:ありがとうございます。ただ、私がどうというよりも、浜松という街と、そこに住んでいる人たちがすごくあたたかくて友好的だからだと思います。浜松は、本当に懐の深い街だと感じますね。
PROFILE 熊谷真実さん
1960年生まれ。東京都出身。俳優。NHK朝の連続小説『マー姉ちゃん』(79年)、NHK大河ドラマ『功名が辻』(06年)、映画『死刑台のエレベーター』(10年)、映画『アンダードッグ』ほか出演。
取材・文/西尾英子 写真提供/熊谷真実