2022年に山小屋を購入した島谷ひとみさん。広島から上京して活躍が続く中で山小屋を購入した理由や、実際の生活とは。お話を聞きました(全4回中の2回)。

40歳を過ぎて決断したこと

島谷ひとみ

── 2022年、島谷さんは山小屋を買われたそうですね。

 

島谷さん:もともとDIYが好きで、自分でリフォームできるような家がないかなといろんな物件を見ていたんです。2020年にお世話になった事務所から独立したのを機に、40歳になったし歌以外のこともやってみたいなと思ったのがきっかけでした。

 

独立前は、事務所におんぶに抱っこでレールを引いてもらっていたような感覚でしたが、これからはもっと自分で積極的に動いて、みずから扉を開いていこうと思ったんです。そこで思いついたのが新しい拠点を持つこと。東京での生活が長くなるにつれて、仕事以外では田舎に足を運びたくなり、自然の中で過ごしたいという気持ちが強くなってきました。東京からアクセスしやすい場所でありながら、自然に囲まれ、本来の自分に戻れるようなところがあったらいいなと思ったんです。

 

── 山小屋は、どうやって探したんですか?

 

島谷さん:たまたま見ていた不用品譲渡をする「地元の掲示板」サイトに、山小屋が売りに出ていてびっくりしました。以前から物件に興味がありいろいろ見ていたこともあり、すごく興味がわいてきました。値段も手ごろで、物件自体がとても魅力的なもので。さっそく現地を訪れ見学してみたら、思った以上によくて。このチャンスを逃すわけにはいかないと思い、購入することにしました。

 

── 物件購入にあたって、どなたかに相談されたのでしょうか?

 

島谷さん:東京の友達や新しい事務所のスタッフなど、身近な人たちに相談しました。彼らは物件の状態を見てくれるなど、なにかと協力してくれました。また、両親はリノベーションやDIYが好きだったこともあり、実家の瀬戸内の島から手伝いに駆けつけてくれたこともあります。私が瀬戸内の田舎出身だったため、母からは「わざわざ都会に出て、本当にこんな田舎で家を買うの?」といった感じで言われましたが、私としては大満足です!

 

── 山小屋はいくらくらいで購入されたのでしょうか?

 

島谷さん:山小屋自体の購入価格は約400万円ですが、リフォームには約1000万円かかりました。具体的には、家の壁や床を一新し、基礎をコンクリートで固めたり、ウッドデッキを新たに作ったりといった工事ですね。内装もすべて改装しました。

 

前の住人が残していった家財道具や浴槽などもトラックを呼んで一式捨てたので、片づけだけでもけっこう大変でしたね。粗大ごみの処理にはトラック1台あたり約10万円かかり、約10回頼んだからそれだけで100万円近くかかり大変でした。とはいえ、お金をかけた以上の価値ある物件にリフォームできると思うので、これからが楽しみです。

 

── 周辺の環境はいかがですか?

 

島谷さん:地方の山頂付近にある一軒家で、とても見晴らしがいいんですよ。この建物から見る山の景色がとても素敵で気に入っています。ただ、去年、家の近くで熊が出没したとニュースをテレビで見て驚きました。近所の人から今年は小熊が出たという話も聞いて、気になっているところです。

 

── リフォームした家はどのように活用されていますか?

 

島谷さん:ひとりでのんびり過ごしたり、友達を連れて行ったりしています。去年は忙しくて、山小屋に行くことができたのは10回ほどかな。冬になると寒くて水道管が破裂する可能性があるので、水道を閉めに行ったり、海外で買ったお土産を山小屋に持ってきて飾ったりもしました。去年はゆっくりする時間がほとんどなかったので、今年はもっと時間を作って、山小屋でのんびりと過ごしたいなと思っています。