喜怒哀楽の「怒」と「哀」の向き合い方

アンミカ

── ところで、アン ミカさんは子どもの頃から物事を前向きに変換できていたようですが、そんなアン ミカさんでも落ち込むことがあるとしたら、どのように向き合っていますか?

 

アン ミカさん:私は、夜はあかんと思ってるんです。朝考えようと。皆さんによくお伝えしている方法は、悩みや願望を真ん中に書きます。その上に現状、現実を書きます。その横に目的、なんでこれをしたいのか。達成した時の喜びを書きます。次に、何がそれを邪魔しているのかと、全部自分の気持ちを書いていくシートがあって、子どもの頃、母から自分の思考を書き出していくと、自分の思考パターン、落ち込みやすいパターンがわかってくるって言われてきたんです。特に喜怒哀楽の「怒」と「哀」。怒りっぽさと悲しみやすさ。怒りっぽさは表現を間違えると人を傷つけるし、悲しみやすさは被害者意識につながる。私こんなことされたっていう言葉を使って被害者意識を心の中で作っていくと、人のせいにする心グセがつくし、トラブルの元になりやすいですね。

 

自分の思考パターンは、私の場合、軽んじられて見られたような気がするっていうのがひとつのポイントで、私がいつも怒ったり、敵だって思うのはそこなんですね。自分であらかじめ知っておくと、またそのパターンに陥りやすそうだ。深みにハマりそうだって一回自分を見ることができるので書き出してみる。ポジティブもネガティブも自分のパターンを知って、自分の感情をコントロールできるようになるといいかなと思います。

 

PROFILE  アン ミカさん

1972年韓国出身、大阪育ち。1993年パリコレ初参加後、モデル業以外でも、テレビ・ドラマ・TVCM出演など幅広く活躍。「漢方養生指導士」「日本化粧品検定1級」などの多数の資格を活かし、化粧品、洋服、ジュエリーなどをプロデュース。自身初、絵本の翻訳を担当した『スパゲッティになりたいラーメン じぶんをすきになるえほん』(KADOKAWA)が好評発売中。

 

取材・文/松永怜 写真提供/アン ミカ