人気アイドルデュオ・Winkのメンバーとして活躍後、ソロデビューし、バラエティ番組や舞台など新境地を切り開いた相田翔子さん。38歳という年齢で結婚した経緯や、41歳での出産や子育てについてお聞きしました。

「束縛されたくない」と感じつつ焦っていた36歳で出会った夫

相田翔子さん
50代の今も変わらない美しさ

── 38歳のときに、医師の男性と結婚されました。

 

相田さん:Wink時代にはよく「私は25歳で結婚します」と言っていたのですが、実際は仕事が忙しくてなかなか出会いがありませんでした。最近になって仕事関係のいろんな人から、「話しかけたいけど、近づける雰囲気じゃなかった」と言われます。「いつもさっちんとふたりの世界にいたよね」って。

 

ソロになってからは舞台とか新しいお仕事の魅力にとりつかれて、どんどん月日が経ってしまいました(笑)。少し時間的な余裕もできて、いろんな人に会って遊んだり、自分の時間を楽しみたかったというのもありますね。結婚して束縛されるのは嫌だなと思うようになったり。それが36歳くらいのときにちょっと焦りだして、そんなときに出会ったのが夫なんです。

 

── タイミングも縁のうちですよね。

 

相田さん:そうですね、夫も同世代で結婚を考えていた時期でした。あるパーティで夫のお父様(政治家の相澤英之氏)から紹介されたのですが、背筋がピンと伸びていて真面目そうで、今まで出会ったことがないタイプ。恋愛で不安な思いをさせないような雰囲気も好印象で、「この人と結婚するな」という予感がしました。友達に紹介したとき「あの人がいいんじゃない?」と言われたことにも背中を押されました。

 

相田翔子さんと義父母
義父母との貴重なショット

流産経験したくさん泣いて…40歳で妊娠がわかり

── 41歳のときに第一子の女の子を出産されました。妊娠がわかったときはどんな気持ちでしたか?

 

相田さん:生まれてはじめてバラ色の空を見た!という感じでしたね。時代的にまだ子どもを諦める年齢ではないはずと思っていたのですが、流産などつらい経験もして。不妊治療はしていないのですが、当たり前に授かるものじゃないんだなってたくさん泣いて、そんなときに妊娠がわかったんです。

 

病院を出て空を見上げたとき、「すごい、空がバラ色だ!」と思ったのを鮮明に覚えています。当時の育児日記を読み返すと「どんなことがあってもこの子を守っていく」という強い決意が書いてありました。

 

相田翔子さんの娘さんと愛犬
すくすくと育ち今やスラリと手足の長い娘さん。愛犬とも仲良し

── 出産は大変でしたか?

 

相田さん:想像の200倍くらい大変でした(笑)。1か月半ほど早産で小さく産まれたのですが、本当に命をかけるくらい壮絶なことなんだと思いました。母から「あなたのお産は楽で、気づいたら産まれてたのよ」と聞いていたのでそういう感覚でいたら、とんでもなかった。だからこそ、生まれたときの喜びは大きかったですね。

ひとり娘は中学生「ママ、精神年齢低いよね」と言われることも

── ブログを拝見しているとお絵描き対決をしたり、とても仲のいい様子が伝わってきます。この春には中学生になりますが、どんなことを大切に接していますか?

 

相田さん:一緒にやろうと言われたことは全力でやりたいなと思っています。最近よく「ママ、精神年齢低いよね」って言われるんです。可愛いグッズを見ると娘以上にはしゃいじゃったりするからかな(笑)。いろんなタイミングで「ほら、そういうところだよ!」って言われます。

 

自分のことを「お母さん」と思ったことがなくて、友達感覚というか「一緒の目線で一緒に楽しむ」という感覚を大切にしています。それは自分の性格なのか、最近娘が大人になって、そうさせてもらってるのかわかりませんが。すごくしっかりした子なので、今は逆に守られちゃってますね。

 

娘が小さいころは何でも心配で心配でしょうがなかったんですが、最近は娘が私の体調を心配してくれたりします。でも、いつでも娘が安心できるようにわからないことは教えてあげたり、やりたいことを叶えてあげたい。「今日はこういうお菓子を作りたい」と言われたらパッと用意して教えてあげたりもします。そんなときは「すごーい」って言ってくれるので嬉しいです。それでも上からの感覚じゃなく、ただ娘が安心できる存在でありたいなと思いますね。

 

相田翔子さんと娘さん
娘さんがまだ小さかったころ。ペアルックで卓球を楽しむ姿が可愛い

── 相田さんが娘さんにこうしてあげたいと思うことは、昔ご自身がお母さんにしてもらったことと似ていたりするんでしょうか。

 

相田さん:そうかもしれません。母もすごく子どもっぽくて、可愛いと思える存在だったんですよね。私は中学生のころ反抗期で、母の強さを感じるとそれを超えようと背伸びして、強く出たりすることがありました。そういうときも怒ったりせず、いつでも明るい人でした。私と姉が一緒におもしろいことをしようとすると一緒になって乗ってくれたり。お母さんだからあなたたちとは違うよっていうんじゃなく、一緒に楽しめる存在でした。そういう母だったから、私もこうなったのかもしれないですね。

 

PROFILE 相田翔子さん

1970年生まれ、東京都出身。1988年「Wink」としてデビュー。翌年には日本レコード大賞を受賞。1996年の活動停止後、ソロ活動を開始。歌手として自作曲を発表するほか、ドラマ、映画、舞台などで女優としても活躍。バラエティ番組でのユニークなトークが人気を集め、老若男女を問わず支持されている。

 

取材・文/原田早知 写真提供/相田翔子