普段はなかなか覗く機会がない、他人のバッグの中身。昨今は「部屋」「体」「心」…と“整え”ブームですが、バッグの中だって整理整頓すれば、物事が上手くまわりだすかもしれません。雑貨店店主、料理家、アパレルプレスなど、さまざまな業種で活躍する素敵な方たちの愛用バッグと中身を紹介した『ナチュリラ 心地よく生きる人のバッグと中身』を一部抜粋してお届けします。
もの愛にあふれる雑貨店店主、かごバッグを持つのは仕事と自分だけの時間のとき
横浜で雑貨店「ヨリフネ」を営む船寄真利さんの通勤の相棒はかごバッグ。
「仕事やプライベートでも割れ物を持ち運ぶことが多く、しっかりとした素材でまちもあるかごバッグは安心して持てるためとても重宝しています。たまに、かごバッグではなくただのかごを持つこともあります。子どもと過ごすときは肩にかけられる大きなバッグしか持てないので、かごバックを持てる時間=自分の自由な時間であり、大事なものでもあるなと思います」
「ワランワヤン」のかごバッグには、イベントで手に入れたあずま袋を目隠し用に。黒いお財布は「ショサ」のもの。レザーを折りたたんで留めただけのシンプルな造りに惹かれました。色合いと口元の飾りがかわいい「キラリー」のポーチ以外は、手帳&ペン、リネンハンカチなどもモノトーンでシックにまとめています。
車移動が多い料理家は、断然小荷物派。小ぶりなバッグをアクセサリー感覚で選んで
ミニバッグを愛用しているのは、自宅でお菓子教室を開いている料理家の栗山有紀さん。
「片手で持ったときに全身とのバランスがいいことと、車移動が多いことから、バッグは断然コンパクト派です。バッグの小ささと荷物の少なさに驚かれますが意外と事足ります。仕事でお菓子を運ぶときは底が広くて安定感のあるかごとの2個持ちです。いちばん登場回数が多いのは、『アーツ&サイエンス』の黒レザーのバッグ。幅広まちのあるスクエア型なので、小ぶりでも容量は十分。上質な革素材で、きちんとした装いはもちろん、カジュアルスタイルもキリリと引き締めてくれ、合わせる服を選びません」
小ぶりのバッグが大好き。カッチリきれいめなレザーの黒とキャメルはシーンを問わず活躍しています。布製の色柄物はコーディネートのアクセントとして。コームとボックスケース入りのリップは「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」、ハンカチは普通サイズと大判の2枚持ちします。がま口財布は愛用して6年になる「N21」のもの。さわやかな水色の名刺入れは「スマイソン」、 消毒用のジェルとハンドクリームは香りがいい「イソップ」を。お手製のエコバッグも忘れずに入れています。
仕事の予定&荷物に応じてバッグを使い分けるアパレルプレス
アパレルプレスとして活躍する倉地麻子さんは、スケジュールに合わせてその日のバッグ
をチョイス。
「フリーランスのPRとして複数のブランドを抱えているので、それぞれの事務所を行き来して打ち合わせをしたり、リースの対応をしたりと、意外と移動が多いんです。プレスルームや取引先に近い場所に作業用のシェアオフィスを借りていて、そこを拠点に徒歩で移動することがほとんど。なので、バッグはフットワーク軽く動けるリュックやショルダーバッグが中心で、その日の予定と装いに合わせて選んでいます。
中身は年を重ねるごとに〝ご自愛アイテム〞が増えていて。仕事に関連する雑誌や書類なども持ち歩くので、もともと荷物は多いほうだったのですが、東日本大震災をきっかけに、キャンディや個包装のチョコレートなど、ちょっとつまめるお菓子を詰めたジップロックも携帯するようになりました」
仕事用レギュラー選手のレザーバッグとリュック。どちらもミニマルデザインで、容量があるのにスマートな印象なのが気に入っています。〝ご自愛グッズ〞とハンカチ、消毒スプレーは必須アイテム。手帳はマンスリーとデイリーを使い分けてスケジュール管理をしています。ポストイットはメモ帳がわりに。三角形の「フォート」のポーチは名刺入れです。 お菓子と白湯を入れた水筒、香りに癒されるボディスプレーやハンドクリームも常に持ち歩いています。
財布は「アー・ペー・セー」。無色レンズのUVカットのメガネ、イヤホンとモバイルバッテリーも必携です。ハート顔で愛嬌たっぷりのキーケースは「アニヤハインドマーチ」のもの。これまた癒しになっています。
取材・文/坂本祥子 撮影/有賀 傑、枦木 功(ノマディカ) 『ナチュリラ 心地よく生きる人のバッグと中身』(主婦と生活社)より一部抜粋