子どもの宿題にたいしての向き合い方

娘さんと

── そうした習慣を身につけさせることで、お子さんにどんな変化がありましたか?

 

優木さん:自分で決めさせることを徹底してきたからか、上の子に「宿題は終わったの?」とこちらから聞いたことが1回もないんです。学校から帰ってきて、学童に行く前に宿題を終わらせると決めているらしく、すぐに机に向かいます。いま、3年生ですが、この間は6年生の漢字検定を受けると言っていました。宿題は丸つけなどは子どもに言われたらする、音読も子供の音読を聞く感じです。

 

── 子どもが勉強しないと悩む親は多いです。どうすればそんなふうに、自分から勉強する子に育つのでしょう?

 

優木さん:よく聞かれるのですが、強制しないことが大事なんじゃないかなと思うんです。やっぱり、やらされている勉強だとたいして頭に残らない。自発的に知りたい、学びたいと思うことが大事ですよね。私がやっていることで、よい影響があるのではと思っているのは、親が学んでいる姿を見せること。それも「楽しんでやっているところ」というのがポイントです!

 

私自身、ピラティスの資格はもちろん、昔からつねに何かしらの資格を取ったりと、子どもの前でいつも楽しそうに勉強をする姿を見せてきたので、子どもには、「ママ、勉強大好きだもんね」とよく言われます。

 

── 親が楽しそうに学ぶ姿を見ていると、子どもも勉強に対してポジティブな印象を持つでしょうね。背中を見せるというわけですね。

 

優木さん:じつはこれも両親の影響なんです。うちの父も、カステラの作り方を覚えたいとなったら100本ノックのように楽しそうにカステラを作り続けていたり、Windows98もまだない時代にパソコンを手作りしてみたり。学びに対してすごく貪欲だったんです。別に勉強じゃなくてもいいと思うんです。親が何かに打ち込んで楽しそうにしている姿を見せることは、子どもにとってすごく良い影響があると思いますね。

昔と比べてデートする時間が減っても

── 優木さんは、夫婦ケンカをほとんどしたことがないとか。夫婦円満の秘訣はなんですか?

 

優木さん:感謝の言葉や彼の好きなところとか、ポジティブな気持ちは、とにかく口に出して伝える。逆に、嫌なところ、悪いところは極力言わず、「なにか解決策がないかな」と考えるようにしています。不満をぶつけ合ってもあまりいいことはないかなと。

 

イライラしていたり、気持ちに余裕がなくなると、つい余計なひと言を言ってしまいがちですが、そんなときには、自分の頭の中を整理するために、いったんノートに書きだして感情を俯瞰します。ネガティブな感情は連鎖するので、なるべくポジティブワードに変換するように意識していますね。

 

── たとえば、どのような?

 

優木さん:「~のせいで」を「~のおかげで」と言い換える。この「おかげ」変換って、すごく便利なんですよ。ムダだと思えることも、たいてい意味があることになります。

 

たとえば、店員さんにすごく感じの悪い対応をされて気分を害したときは、「あの店員さんのせいでイライラする!」とネガティブにとらえず、「ああいうことをしたら人は不快になるんだな。おかげで我が振り直せた、ラッキー!」と考えます。

 

── ストレスがたまったりはしませんか?

 

優木さん:我慢しているのとは違うんですよね。モノの見方の角度を変えて、発想を転換しているだけなんです。物事には、表と裏があるよねという発想でいれば、たとえ失敗しても、「学べてよかった」と思えるじゃないですか。

 

── なるほど。自分をご機嫌にする方法でもありますね。

 

優木さん:そう思います。自分の心が平穏でいられますよね。夫婦円満でいるためには、ときには可愛げを演出することも大事だと思っています。正直、ひとりで生きぬくたくましさがありますが、「あなたを頼りにしてる」と、か弱さを出してみたり(笑)。たとえば、ゴキブリが出たときも、パパがいなかったらもちろんひとりでササっと処理しますが、あえて「パパ、退治して~」と助けをお願いしてみたり。

 

やっぱり、夫婦は男と女ですから、ちょっとしたことが意外と大事だったりするんじゃないかなと思うんです。

 

── 効果のほどはいかがでしょう?

 

優木さん:どうでしょうか(笑)。子どもがいるので、昔と比べてデートする時間は減りましたが、関係性はそんなに変わってない気がしますね。夫婦の時間も意識して作るようにしていますし、「今日はパパとママがデートで、明日はパパと娘がデート」というように、曜日で割り振ったりしています(笑)。

 

PROFILE  優木まおみさん

1980年生まれ。佐賀県生まれ。タレント、ピラティスインストラクター。モデルやバラエティ、コメンテーターほか幅広く活躍中。2013年に結婚して現在は2児の母。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/優木まおみ