現在、双子の小学生と、中学生の息子さんの3人を育てる母・インリンさん。子どもの反抗期や事故による怪我などを乗り越えながら、台湾で子育てに奮闘しています。(全3回中の3回)
水筒の水がたりない
── 2010年に第一子の長男。3年後には、第二子、第三子となる男女の双子を出産しました。双子の兄弟は、現在小学生ですが、幼少期の育児はいかがでしたか?
インリンさん:二人とも夜はよく寝てくれるし、泣いてもおっぱいをあげればまたすぐ眠りについていたので、思ったよりは楽だったかもしれません。双子たちは現在10歳になりました。たまには喧嘩もしますが基本的にすごく仲がいいです。
── 10歳だとそろそろ反抗期を迎える頃でしょうか?
インリンさん:長女は反抗期真っただ中です。学校の勉強にプレッシャーを感じたり、友達との人間関係でも成長と共に我慢する場面が増えたのでしょうか。私にストレスをぶつけてくることもあります。
たとえば私が小学校にお迎えに行くと、私の姿を見るまでは機嫌よく友達と話しているのに、私の顔を見るとサッと顔色が変わるんです。帰り道を歩きながら「今日は水筒の水がたりなかった」と文句を言ってみたり、自分のことを気に掛けてもらいたいのか、わざと私と次男から遅れて歩いたり。あるときは足をぶつけたと大げさにアピールしていたことあります。「大丈夫?」と声をかけても、おおげさなくらい心配しないと「私の足が折れていてもいいんでしょ!」と喧嘩口調のときもあって。
── そんな娘さんにどう向き合っているのですか?
インリンさん:たぶん、母親の愛情を確かめたくてやっているのでしょうから怒るに怒れないんですけど。子どもっぽい部分が残りつつも、できるだけひとりの人間として向き合おうようにはしています。
── 一方で、お子さんたちに助けてもらうこともあったそうですね。
インリンさん:今年の3月に、坂道で電動自転車のバランスがくずれてしまい転倒してしまったんです。幸い近くを通りかかった人が救急車を呼んでくれましたが、肋骨が3本折れて、3日間入院することになりました。
無事に退院したものの、しばらくは体の状態が完全ではないので、家族の手を借りることもありました。朝食はパンで済ませて、子どもたちの学校のお弁当だけはなんとか自分で用意して、夜ご飯は夫に買って帰ってきてもらいました。
元の生活に戻るまで約2週間近くかかりましたが、食事以外のことは夫や子どもたちが家事をひきうけてくれて助かりました。なかでも次男が率先して掃除機をかけてくれたり、洗い物をしてくれたりと、すごく成長を実感できて嬉しかったです。