音楽大学を卒業後に漫画家になったという異色の経歴を持つ輪立さく(@39wdc)さん。その経験や知識を活かした漫画『リプライズ 〜2周目のピアニスト』は話題となりました。

 

そんな輪立さんが新たに描く、音大卒女子たちの卒業後の日常を描いた『アダージェット〜音大卒独女たちの夜会〜』。

 

漫画内では、音大時代に六手連弾ユニット「アダージェット」を組んでいた凛、愛、冴子の三人は卒業して以来の再会をしお互いの状況について語り合います。愛は音楽教室で会社員として、冴子がフリーランスでそれぞれピアノを教えています。

 

「ピアニストを目指していても、それが叶うのは本当にごく少数の人です。それ以外だと音楽教室を経営する会社に就職したり、アルバイトをしながら自宅で音楽教室を開いたり、ラウンジなどで弾いたりという選択もあります」と、輪立さん。

 

華やかで、お金持ちで、将来は好きなことを仕事にできる──そんな煌びやかな世界と思われがちな音楽大学の厳しい現実も教えてくれます。

 

卒業後に様々な選択をした音大卒生の話を聞いた著者ならではの、実体験を参考に描かれた音大卒生の苦悩や困難、就職後の状況などリアルな話が描かれます。

 

音大時代に六手連弾ユニット「アダージェット」を組んでいた凛、愛、冴子の三人は卒業して以来の再会。音楽関連の会社に就職した愛、フリーランスで音楽の仕事をする冴子、そして訳あって音楽を諦め一般企業に就職をした凛。それぞれが思い描いていた将来とは違う生活を送るなかでの、不安や葛藤、ストレスも…。アラサー独女が夜会で繰り広げる雑談から見えてくる音大卒のリアル!

 

自宅で開業したピアノ教室をメインに。音大で後輩の伴奏や居酒屋でのアルバイトをしながら生計を立てる冴子の日常は…。

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「そんな遊びみたいな仕事…」フリーランスで働く女性への心無い言葉

「フリーで働いている子たちは、音楽の仕事とは別に飲食店などでアルバイトをしていることが多いです。実家の支援を受けられる子もいますが、音大出ているからといってみんなが実家が裕福なわけではないので…」と作者の輪立さん。

 

憧れていた先生からのセクハラにショックを受け、帰宅した冴子に電話が。相手はフリーランスである冴子の仕事や稼ぎが気になっている母親でした。「遊びみたいな仕事はやめて地元に帰ってきたら?」という母親の言葉に冴子の表情は強ばりました。


作/輪立さく