現金10万円あったら何に使うか?「スマホを買い替えたい」「美容家電が欲しい」と物欲を満たそうと考えがちですが、「子育て世帯ほど、中長期な視点で使い道を考えてほしい」と、家計再生コンサルタントの横山光昭さんは言います。その真意とは?

 

もし10万円があったら?FPが考える「目先のモノやコト以外の有益なお金の使い道」とは

「体験や物を買う」よりも大切な使い方がある

10万円あれば、家電の買い替えや家族での旅行なども可能でしょう。それらの使い道は生活のクオリティを上げたり、思い出づくりになったりします。有効な使い方ですし、浪費にはあたりません。

 

ただ、10万円が一瞬にして失われるのはちょっともったいない気がします。FPの立場でいえば、子育て世帯には目先のモノやコトよりも、中長期的に自分や家計にプラスになることにお金を投じてほしいのが本音です。

 

たとえば、みずからのスキルアップのための資格取得の資金とするのはひとつでしょう。資格を武器にキャリアップや転職に成功すれば、世帯収入を上げることにつながります。

 

お金のことで悩んでいるなら、FPに相談する費用にあてるのもおススメです。私が口にするとセールストークっぽく聞こえてしまいますが、決して営業で言っているわけではないので誤解しないでください。

 

FPはお金の専門家です。家計管理、住宅ローン、教育資金、保険、資産運用など、ライフプランニングの幅広い知識を持ち、相談者の家庭の状況を踏まえて最適なアドバイスを行います。相談料金の相場は1時間あたり5000円〜1万円です。

 

アメリカではFPは、「医師」「弁護士」と並ぶ3大ドクターのひとりといわれています。体のことで困ったら医師、生きることで困ったら弁護士、お金のことで困ったらFPを頼るという位置づけです。体のこと、生きることと同じくお金のことも非常に大切で、専門家の意見を聞くことが重要だと認識されているわけです。

マネー相談で得する人、損する人の差とは?

お金の情報はネットでもYouTubeなどの動画サービスでも無料で手に入る時代です。「わざわざ相談する必要はないのでは…」と思う人もいるかもしれませんが、身銭を切ってプロに相談することで得られるものの価値は高いと断言できます。

 

ただし、お金の勉強なしに行くのはおススメできません。一方的にアドバイスを聞くだけでは身にならないからです。

 

相談する前に、書籍やネットで気になるお金のテーマについて勉強し、FPと対面したときに疑問をぶつけてみるのが望ましい姿勢といえます。「教育資金は学資保険だけでいいのか?」「保険の見直しはこの時期ですよね?」「資産運用で選ぶならどっちの商品ですか?」などの質問に、FPは知恵の詰まった答えで応じます。

 

そうして得た有益な情報をもとに行動すれば、お金の悩みを解決することができ、5年後10年後、資産は大きく膨らんでいるでしょう。前述したとおりFPの相談には10万円もかかりません。ですから、残りのお金でセミナーに行ったり、実際の投資資金にあてたりするなど、使い道を分散するのもありです。

 

お金と賢く向き合うことで、有意義な人生が待っています。正しくお金を使い、明るい未来を切り開きましょう!


監修/横山光昭 取材・構成/百瀬康司 イラスト/村林タカノブ