家族でハワイに移住し3年過ごしたあと、コロナ禍で日本に帰国したモデルのSHIHOさん。帰国後の生活と3か月弱あるという娘さんの夏休みのユニークな過ごし方について伺いました。(全3回中の2回)
3年間暮らしたハワイからの帰国
── ハワイで3年暮らし、現在は日本で生活されています。帰国を決めた理由はなんでしたか。
SHIHOさん:10年は帰らないと思って海外へ出たのですが、ちょうどビザの更新のタイミングがコロナ禍の真っ最中で規制が厳しくなりました。当時は日本での隔離期間が4週間になってしまい、仕事でハワイを離れると1か月以上帰れず、家族と会えなくなるというのも現実的に難しくなりました。そこで、ビザの更新はしないで日本に戻ることにしたのです。
ハワイに行く際に夫はUFCというアメリカの総合格闘技団体に所属していたのですが、2019年よりシンガポールのOne Championshipに所属が変わっていたので、夫にとってもアジア圏にいたほうがよかったという理由もありました。娘は、2022年から日本のインターナショナルスクールに移って、今に至るという感じです。
── 娘さんは日本での学校生活に馴染めていますか。
SHIHOさん:4年生の途中で編入したのですが、ちょうどその半年前に「もう日本語の勉強はしたくない」と言っていたところでした。どんなに確認してもやりたくないとのことで、「じゃあもう辞めようか」と諦めていたのですが、日本のインターナショナルスクールに入ったら毎日、日本語の授業があったんです(笑)。
あんなに嫌がっていた日本語の授業も受けることになって。周りの友達も一緒ですし、先生も手厚くサポートしてくださって。日本語をいちから叩き直せてすごくいいタイミングでした!
── ハワイで3年間生活されて、娘さんは英語が流暢になったそうですね。
SHIHOさん:ハワイに行く前は日本の幼稚園に通っていたのですが、渡航する1年前からはアフタースクールで英語を習っていました。アメリカの小学校に入った最初の1年目は戸惑いもあったようですが、2年目からはすっかり慣れて、今では日本語より英語のほうが楽なようです。
学校の友達との会話もすべて英語ですし、パソコンの言語やSNS、音楽、ショッピング、エンターテイメントなど、彼女が観るものはほぼアメリカのものばかりですね。
英語を始めたばかりの頃は、複数の言葉を同時に覚えるのは難しくて。そもそも文法が違うので、娘は日本語を話そうとするとなんでも動詞がdoになってしまっていました。「ママ、やって」「何を?」という会話が結構ありましたね。
このままだと日本語の単語を全然覚えなくて、深みのある会話ができなくなってしまうのでは?と心配していたところでした。先生方も丁寧に、細かく指導をしてくださり、特別に追加の宿題を出してくれるなどサポートしていただき、本当に感謝しています。
── 娘さんは日本での生活を楽しんでいますか?
SHIHOさん:すごく楽しそうです!ベストフレンドのグループができたようで。ハワイの学校の友達は住んでいる場所もバラバラだったのですが、今の学校は友達同士の家も近いので、帰ってきたあとや週末も一緒に遊んだり、お泊まり会をしたり。10歳を過ぎると友達との時間が楽しいみたいですね。でもそんな楽しそうな姿を見て「良い学校やお友達に恵まれて本当によかった」と思います。
娘の夏休みは3部構成
── 娘さんは今、夏休みに入られていると思いますが、この夏はどう過ごす予定ですか。
SHIHOさん:娘の学校は3か月弱お休みがあるんです。前半はサマースクールに行って、中盤は韓国でモデルスクールのレッスンに通って。後半は娘の希望でアメリカに行きたいとのことなので、ハワイとLAに行く予定です。今年の夏は3部構成でいきたいと思っています(笑)。
── モデルのスクール、ですか?
SHIHOさん:私もそうでしたが、日本ではモデル志望でもウォーキングレッスンはよく聞きますが、スクールに通ったり授業を受けたりするのはそこまで主流ではなくて。でも韓国では俳優や歌手の方も準備期間がしっかりあってレッスンを受けることが多いんです。今回はご縁があって、平日はモデルスクールに通っています。
── どんなことをするんでしょう。
SHIHOさん:ウォーキングにトレーニング、ダンスやポーズのほか理論も学ぶようで。あとは写真の撮られ方も学ぶようです。娘は今11歳で最年少なのですが、20代後半までの方が20人くらいいるクラスで、お兄さんお姉さんたちに囲まれて授業を受けています。初日が終わったあと、「楽しい!また行きたい!」と張り切っていました。
モデルの勉強もありますが、同時に韓国語も学んでほしかったんです。娘は6歳まで韓国語も話せていたんですが、3年間英語の勉強に集中していたら韓国語をすっかり忘れてしまって。授業は全部韓国語なので、実践を兼ねて語学も自然に学んでくれたらいいなと思っています。
── 娘さんはモデル志望なんですか。
SHIHOさん:いえ、娘は自分からモデルをしたいと言ったことはありません。でもそういうお話をいただく機会が多くて、小さい頃からモデルをしていました。私から見ても、たくさんの人と一緒に何か作り上げるというクリエイティブなことが向いていると思います。モデルスクールに通うのは、そういう環境があるから準備をしておくのもありますし、本人も何か始めたいというタイミングでもありました。
── 娘さんの親友たちはどう過ごしているんですか。
SHIHOさん:両親のいずれかが海外にルーツがある子がほとんどで、両親の仕事の都合で海外に移住する子もいたりして。夏休み前はもはやお別れ会でした(笑)。イタリア、アメリカでも東海岸と西海岸とか、アジア圏にいる子も。携帯を持たせているので、アプリでみんながどこの場所にいるかがわかるようなのですが、世界中に友達がいて面白いですよ。こちらが朝起きたら向こうは夜で、電話で話していることも多いですね。
この時期の3か月間ってすごく大事ですよね。夏休み中に今の学校では宿題が出ないので、どう過ごすかは親にかかっている気がしています。与えたことをするのではなく、選択を委ねられて、自分で考えて行動するというのが求められているように感じますね。
PROFILE SHIHOさん
モデルとしてファッション雑誌・テレビ・ラジオ・CM・プロデュース・出版など幅広く活躍し、心身が健康で美しくなるウェルビーイングな暮らしを提案。ヨガDVD本 『SHIHO loves YOGA〜おうちヨガ〜』、『トリニティスリム"全身やせ "ストレッチ』は、シリーズ累計40万部を突破。比叡山延暦寺など各地で瞑想リトリートツアー等のイベントを企画・開催。滋賀国際親善大使。全米ヨガアライアンス認定講師。Wellness AWARD of the Year 2019受賞。
取材・文/内橋明日香 写真提供/SHIHO