気温が高い夏は野菜が傷みやすい時期。野菜のプロ・青髪のテツさんがTwitterに投稿した「鮮度のよい野菜の見分け方」が話題になっています。
鮮度がいい夏野菜の見極め方は意外と簡単
今が旬の夏野菜。おいしい時期だからこそ、特に鮮度がいいものを選びたいですよね。きゅうり・トマト・ピーマン・なすそれぞれの選び方を教えてもらいました。
「きゅうりはイボが鋭くて表面にハリがあり、太さが均一なものを選んでください。流通の途中でぶつかったりすると、イボが丸くなり水分が抜ける原因になります。両端にシワがありしぼんでいるものも水分が抜けているので、太さが均一で重みがあるものを選ぶのがひとつの目安です。
トマトは皮にハリがあって、ガクが鮮やかな緑で反っているものが新鮮です。どの野菜にも言えることですが、重みがあるものは水分をしっかり含んでいる証拠なので重いものを選んでください。トマトはお尻に放射線状の線(スターマーク)が入っているものが生育がよく、濃厚な味わいのものが多いですよ。
ピーマンも、もちろんハリがあるものがいいですが、さらに言うとヘタの切り口が白いものほど新鮮です。黒かったり乾燥していると時間がたっている証拠。あと、ヘタに対して肩が盛り上がっているものほど発育がいいと言われています。
なすはガクのとげが鋭いものが新鮮です。色も全体的に均一で、濃いものほどポリフェノールを多く含んでいるので、栄養的な意味でもおすすめです。
とくに傷みやすい葉物類は?
葉物類をしんなりさせてしまった、という経験がある人は多いのでは。気温が高く、傷みやすい夏場はとくに、あらかじめ鮮度がいいものを選んでおきたいところです。
「ほうれんそうは葉先からしおれやすいので、葉先の状態をまずチェックしてください。小松菜や水菜も同様です。茎が太くて葉肉が厚く、葉脈が左右対称のものが生育がよく、味もいいです。
ブロッコリーは鮮度が落ちると黄色に変色して花が咲きます。なので、変色していない鮮やかな緑のものを選んでください。ちなみに冬は寒さで紫になるものもありますが、それはみずからが凍らないように働いた証拠。糖度が増して美味しいんです。あとはつぼみが密集していて硬いものほど水分を多く含んでいて新鮮です。また、茎の部分の切り口を見て、穴が空いているもの、つまり、「す」が入っているものは繊維質で硬いものが多いので、芯まで柔らかく食べたいときは「す」が入っていないものを選んでください。
キャベツとレタスは似ているようで選び方は違います。キャベツは鮮やかな緑のものが、レタスは淡い緑のものが新鮮です。レタスは濃い緑だとえぐみがあるものがあります。またキャベツは重いものほど糖度が高くおいしいのですが、レタスは軽いもののほうが弾力があり食感がいいです。選ぶときのポイントを間違えないように気をつけてください。
比較的日持ちする根菜にも選び方のポイントが!
家庭料理には欠かせない定番の根菜類も選び方のコツがあるようです。
「玉ねぎは基本的に産地で乾燥させて出荷されます。湿ったり、溶けていたりする部分がなく、変色していないもので、全体的に硬く締まっているものが鮮度が高いです。頭の部分を触って、硬いかどうかが見分けるポイントになります。
じゃがいもは皮が滑らかでハリがあり、硬いものが水分も含んでいて新鮮です。注意したいのは、光に当たり緑色に変色したもの。天然毒素であるソラニンやチャコニンを含んでいるので、しっかり取り除くか廃棄するしかありません。
にんじんは皮にハリがあるものが新鮮です。また、濃いオレンジ色ほどベータカロテンを含んでいるので、栄養素的な意味では濃いものがおすすめ。葉の切り口の断面が小さいものが柔らかい傾向があり、先端がとがっているものより丸いもののほうが美味しいとされています。
さつまいもはさまざまな品種があり、品種によって特徴が違うのですが、重いものほど水分を含んでいます。ふっくらとして、あまりデコボコしていない重いものが、細いものに比べて繊維質ではないので、食感がよく美味しいですよ。
夏でも新鮮なものを選べば、いつも通りの保管方法で野菜がすぐに傷んでしまうことは避けられそう。お店で野菜を選ぶときはぜひこのポイントに注意して選んでみてください。
PROFILE 野菜のプロ・青髪のテツさん
長年スーパーマーケットの青果部で勤めてきた経験を元に、SNSを通じて野菜や果物の知識を発信。ブログ「やさいのトリセツ」運営。著書『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版)、『スーパーのエキスパート店員が教える おいしい野菜まるみえ図鑑』(KADOKAWA)など。
取材・文/加藤文惠 画像提供/野菜のプロ・青髪のテツさん