育児が上手くいかないと「もっと母としてちゃんとしなきゃ…!」と自己嫌悪に陥ってしまう方も少なくありません。そんな子育て世代から、「思わず保存した」と共感を集めるのが、伊藤ぽんぽこ(@ito_ponpoko)さんのインスタグラムに投稿したある漫画です。
失敗や手抜きも当たり前…人間だもの
息子のそうちゃん、夫と3人で暮らす伊藤ぽんぽこさんが投稿したのは、「失敗とサボりを正当化して育児している。」と題した自身の体験談です。
料理中についボーッとしてしまった伊藤さん。気づくと料理がとんでもなく失敗していました。申し訳ない気持ちで夫に「ごめん…完全に下手こいたわ」と伝えましたが、夫からは「え…全然おいしいーよ」という返事が返ってきたそうです。
ほかにも、洗濯物をしようと思った矢先に息子に「遊ぼう」とせがまれ、そのまま放置したり。料理するのが面倒でお総菜ですませることにしたり…。
一見すると失敗ばかりで「完璧」とは程遠い、日々のエピソードですが伊藤さんは「これでいいんです!」と言います。
「もし私が仕事も家事も、子育ても完璧にこなすお母さんだったら…。それが当たり前の生活で過ごしていったら、息子は将来、パートナー選びで難航する可能性が大きいかもしれません。
だから私が家事をサボり、失敗する姿も見せることは『これが母…否…人間というものなんだなぁ』と、子どもに理解してもらうためにも必要なことなんだと思います」
一番身近な両親の失敗する姿が子どものハードルを下げる
さらに伊藤さんは、親の失敗する姿から学ぶことについてこのように語ります。
「挑戦するのが怖いのは、“失敗したらどうしよう”という気持ちからくるものだと思っています。親の失敗を見せることで、息子自身の失敗ハードルも下がるんじゃないでしょうか」
伊藤さんは、息子さんに完璧さを求めるよりも、失敗してもいいので“味”を求める人間になってほしいとのこと。
上手くいくときだけではない、両親の姿を知ることで許容範囲が広がり、臆することなくいろいろなことに挑戦をし、ひと味もふた味も深みのある大人になってほしいと願っているそうです。
インスタグラムのコメント欄には、「わかるわかる 私も思ってた」「なんか、自分を許せました… たまにこんな母でいいのか…って悩みますよね 私も自信持ってマイペースに過ごします」など、共感の声に加えて、同じ悩みを抱える母の想いが目立ちました。
気持ちが落ちたときこそ、捉え方を変えてみる
「母として完璧を求めて自分を追い詰めちゃうときに我に帰るため」にこの漫画を投稿したという伊藤さん。普段の家事育児でも減点法で、できなかった自分を否定しないための工夫をしているそう。
「日常生活では、いつもと違ってできなかったこと(手を抜いたところ)に目がいきがちですが、私はできたことばかりリストアップしていて。『私、こんなにやってんじゃん!』と自分で自分を褒めるようにしています(笑)」
母業・父業は正解がないからこそ、周囲と自分を比べては自己嫌悪に陥りやすいもの。気分が落ち込みがちなときは、「失敗やサボりも子育てには大切」「できないとこより、できたところに目を向ける」など、伊藤さんマインドで捉え方を変えることも、ひとつの解決策に繋がるかもしれません。
取材・文/北崎早希