新学期から1か月近くが経ち、朝の子どもの支度がうまく進まず、毎朝ハラハラしている人も多いのでは?イラストレーターのさざなみさん(@3MshXcteuuT241U)が思いついた、子どものやる気を引き出す方法が話題になっています。
お着替えできない娘が…「じゃーん!!」で大変身!
平日の朝、幼稚園生の娘はなかなか制服にお着替えをしようとしません。さざなみさんが「おとうさんそろそろこっちくるよ。お着替えしとこうよ」と声がけしても、「いーやーだ」と首を振るばかり。
そこで、さざなみさんは娘にこう提案します。
「お父さんがきたとき、今日はもうお着替えできてまーすって出てきたら面白くない?」
そのアイデアに目が輝く娘。様子を見に来た夫には少し待ってもらうようにこっそり依頼をしておき、待つこと2分。
夫が改めて「まだ着替えてないのかなー」とやってくると、すでに制服に着替えた娘が「じゃーん!!」と登場!夫の「もう着替えてた。びっくりしたなぁ。バッチリだね」の褒め言葉に、娘は得意げな笑顔を見せます。
その様子を見てさざなみさんは「このパターン…いい!」と、その効力を確信したのでした。
子どもの心理を利用したこの作戦に「めっちゃかわいいです」「お母さんの提案の仕方が優しい」とのコメントや、なかには同じような作戦をやっているという声も集まっていました。
気持ちを盛り上げる作戦のコツは?
今年の春に年中に進級した娘は、はじめのうちは早い時間に意気揚々と幼稚園に出かけていたそうですが、だんだん疲れが出てきたのか準備に時間がかかるようになっていたのだそう。
「急かしたり手伝ったりするとグズってしまい、1日の始まりが台なしになってしまうので、なんとか自分から機嫌よく着替えをして欲しい!と考えて生まれたのがこの作戦です」とさざなみさん。
今ではすっかりこの方法が気に入り、いろいろな場面で試すようになったといいます。
「“クツをちゃんとならべられると思う?”“服のうらがえし自分で直せると思う?”“ひとりでシャツのすそ、しまえると思う?”など…。それらすべてに大人は、“いやいや、無理だよ、できるはずないよ”と返答します。そうなると、“じゃじゃーん!できてまーす!!”と見せつけてくる、という流れです。
それが1日10回は繰り返されるので、相手をするのがいい加減めんどうにはなってきます。しかし、そうしているうちに気づいたのは、次女が“できたよ!”と主張してくることはほんの少し前までは“できなかった”ことであり、近頃やっと“できるようになった”ことなのです。
できるようになった今では、やるのが当たり前になって、誰もいちいち褒めてくれない…。次女がそう感じていたのかどうかは分かりませんが、じゃじゃーん!と得意げにする様子を見るたびに、改めてできるようになったことの多さを感じています。このブームに乗っかって、思う存分褒めようと思います」
最後に、この作戦のコツを聞いてみると…。
「じゃじゃーん!に合わせて大げさに驚いて褒めることです。うちでは、居合わせた全員が拍手をします。家族の協力も必要ですね。
“どうせなら楽しく”という思いを家族みんなが持っていると、学校や仕事が大変な時期でもなんだかんだ楽しく機嫌よく乗り越えられるように思います」
声かけ次第でこんなに変わるものなんだと驚きがあるこの作戦。朝の支度に限らず、子どものやる気が出ないことがあったら試してみると、いい変化があるかもしれませんね。
PROFILE さざなみさん
駆け出しのイラストレーター。Twitterで育児漫画やコミックエッセイを執筆。うどん県出身の2児の母。著書に電子書籍『この瞬間をきっとまた思い出す』(主婦と生活社)、『「どんなときでも味方だよ」って伝えたい! ~親子のコミュニケーション、試行錯誤中!~』(KADOKAWA)がある。
取材・文/阿部祐子 画像提供/さざなみ