家計再生コンサルタントの横山光昭さんのもとに最近、寄せられるお金の相談内容で増えているものがあります。便利ではあるけれど注意したい出費の対処法を解説します。

 

便利なサービスの落とし穴

「『便利なサービスやもの』を使いすぎて、支出が大幅に増えてしまった…」最近、相談に訪れるお客様からよく聞く悩みです。たしかに、便利なサービスやものは世の中にあふれかえっています。

 

食事の宅配サービスやネットスーパー、ベビーシッターサービスなど、日々の生活を助けるサービスが普及しました。ドラム式洗濯機やAI搭載の冷蔵庫、お掃除ロボットなど、便利なハイテク家電もたくさん。生活が楽になったと実感する人は多いでしょう。

 

しかし、「いまをなんとか乗りきるために」と便利なサービスやものも際限なく使いすぎると、家計は悪化していきます。当然ですが、家電製品は1回買えばそれ以上の費用はかからないとはいえ、大きな出費です。食事の宅配サービスなどは1回だけなら小額ですが、利用する機会が増えれば、それなりの額になります。

 

便利だからこそ、サービスをズルズルと使ってしまいがちです。また、その生活に慣れてしまうと、万が一、家庭の事情で生活レベルを落とそうと思っても難しくなります。忙しい仕事や育児をカバーするためにはしかたない部分もありますが、お金を貯めたければ、利用するサービスや購入するものなどの優先順位を考えて、お金を使いましょう。サービスに関しては、1か月に使う回数や金額を決めておくのも良い方法です。

月に数百円のサブスクも積もれば家計を圧迫

もうひとつ、家計を圧迫している原因として増えているのが、定額料金で使い放題になるサブスクリプションサービスです。動画や音楽、マンガのサブスクは多くの人が使っているでしょう。月会費を払って利用するスマートフォンのアプリも一種のサブスクといえるでしょう。洋服やバッグ、家具、家電、自動車などのサブスクも登場し、市民権を獲得しつつあります。

 

どのサービスも月に数百円から数千円で使えるのが魅力ですが、改めて見てみると、支払う料金に見合った使い方をしていないことは少なくありません。たとえば洋服のサブスクに月々5000円払っていたとしても、何着か送られてくる服のうち1着しか着ていないなら、買ったほうが割安なことがあります。

 

ひとつひとつのサービスは少額でも、チリも積もれば山になります。月5000円払っているとすれば年間6万円ですから、小さい出費ではないでしょう。

 

また、「一定期間だけ無料」につられて試しに加入した後、解約をし忘れてしまい、料金を取られつづけている人もよく耳にします。余計な出費を抑えるためには、定期的にどんなサブスクに入っているかを見直して、整理することをおすすめします。

 

監修/横山光昭 取材・文/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ