夫婦のどちらかが倹約をしていても、パートナーに浪費グセがあると、お金が貯まりません。お金の使い方でスレ違う夫婦に対して、家計再生コンサルタント・横山光昭さんの答えは?

 

「浪費グセ」のパートナーを責めるのは逆効果

自分の趣味については惜しみなくお金をつぎ込んでしまう。スーパーに買い物に行けば、何かと高い食材を買おうとする。散財するパートナーを見ていると、倹約する側は腹が立ってどうしようもなくなり、つい文句を言いたくなる気持ちも理解できます。

 

しかし、パートナーの浪費グセを責めるのは逆効果です。相手もその言い分に息苦しさを感じて、キレることも。これでは、良い提案をしても聞き入れてもらえません。お金の価値観が違うのは仕方がないことです。相手の浪費を抑えたいなら、お互いの価値観の違いを踏まえて、「聞き入れてもらう言い方」を工夫しましょう。

支出の中で5%の浪費OKな金額を作っておく

まず大切なのは、パートナーの浪費をすべて否定しないで「一部を認める」ことです。私は、家計の支出を「消・浪・投(消費・浪費・投資)」の3つのモノサシで分けることをすすめています。消費は生活に必要なお金、浪費は生活に直接必要のないお金、投資は将来のためのお金、と定義しています。

 

この「消・浪・投」の理想的な割合は、消費70%、浪費5%、投資25%です。浪費をゼロにすると、ふだんの楽しみや自由がなくなり、犠牲にしてまでする貯金がイヤになりがちです。貯金生活を続けていくうえでは、多少の浪費は必要になります。

それでもムリなら「共通のメリット」を伝えてみる

以上のことをパートナーに伝えたら、改めて、どのくらい浪費をしているか、数字で見せましょう。1か月の支出を消費と浪費と投資の3つにわけ、割合を数字で示します。

 

さらに1か月の収支や貯金額などを見せれば、浪費グセのあるパートナーも「お金を使いすぎ」をハッキリ理解するでしょう。ムダづかいを責めることなく、淡々と現実を説明すれば、パートナーもデータを見てくれるはずです。

 

ただ、「貯金をしよう」というだけでは、浪費家のパートナーが納得しないケースがあるかもしれません。おすすめは、共通の目標をつくることです。たとえば「たまったお金で旅行に行く」「新車の頭金にする」など、設定するわけですね。パートナーも「節約のメリット」が見えれば、モチベーションがあがります。相手にとってもメリットのある提案をするのが、夫婦の足並みをそろえる秘けつです。

 

監修/横山光昭 取材・文/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ