「今年、お金が貯められるかどうかは、5月の過ごし方で決まります」と話すのは家計再生コンサルタントの横山光昭さん。お金が貯まる人は5月に何をしているのでしょうか?
4月に「かかるお金」が変わってくる現実
お金を貯めたいなら、5月にしておきたいことがあります。それは、「年始に立てた『お金の計画』を見直すこと」です。5月は、3~4月にこれまでの生活が変化したことを受けて、生活支出の変動を把握しやすいからです。
たとえば、子どもが高校や大学に進学すれば、交通費や昼食代、こづかいなどの支出が変わります。中学生になればスマートフォンを持たせることもあるでしょう。引っ越しをすれば、食費や水道光熱費が増えるかもしれません。「夫が単身赴任」となれば、支出も変わってきます。
原材料や物価の高騰などの影響で、電力やガスの公共料金やガソリン、食料などが値上がりし、家計に響いてくることもあります。また、一部の健康保険料も4月から値上がりします。たとえば全国健康保険協会(協会けんぽ)では、2023年度の一部都道府県の健康保険料率がアップします。東京は健康保険料率が9.81%から10%に、介護保険料率は1.64%から1.82%に上がります。大阪は健康保険料率が10.22%から10.29%になります。収入にもよりますが、多くの人は年間数千円分の負担が増えます。
そもそも、計画通りにはいかないものです。これらを加味することなく、年始に立てたお金の計画を貫こうとすると、家計のやりくりが厳しくなります。計画通りにやりくりできてもキツい状況になれば、ストレスもたまるでしょう。
5月が家計の見直しに最適な時期の理由
また、ゴールデンウィークの旅行を計画して、旅費を振り込んだ人もいるでしょう。大きな特別支出で、想定以上に貯金が減ることはよくあります。年初の目標通りにお金を貯め直すには、生活費やこづかいを見直して、毎月の貯金額を増やす必要があるかもしれません。
このように、計画通りにいかなくなった家計は早く立て直すに越したことはありません。そのタイミングが、5月なのです。5月に見直せば、今年の残り7か月間の家計をコントロールできるようになるでしょう。5月はスマートフォンの乗り換えキャンペーンのようなお得なキャンペーンがまだ続いていることもあります。こうしたものを利用して、上手にやりくりしましょう。
監修/横山光昭 取材・文/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ